日本防衛省はこのほど、今年7-9月の自衛隊機による中国機向け緊急発進(スクランブル)の統計データを発表した。それによると、中国機に対する緊急発進の回数は29%増の103回に達し、同期間における緊急発進全体の半数以上を占めた。(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版 コラム「望海楼」掲載)
防衛省が3カ月ごとの緊急発進回数の発表を始めたのは2005年。日本のこの行為は、真相を知らない国際社会に、日本が隣国(特に中国)から軍事的脅威を受けているという偽りの印象を植え付けている。
しかし、少し分析してみれば分かることだが、日本のこうした劣悪な行為は事実を顧みず、善悪を覆すもので、その目的は、国際社会を欺き、中国軍のイメージを悪化させ、地域の緊張を高め、平和憲法の制限から脱却し、攻撃的な軍事力を発展させるための口実を作ることだ。また、領土・歴史問題をめぐり中国などの隣国を挑発したことで受けている圧力を緩和し、別な方向にそらすためでもある。
まず第一に、中国機はこれまでずっと正常かつ合法的に飛行しており、日本が公表した緊急発進のデータはまさに、日本による追跡・監視・妨害の頻度が高まり続けていることを証明するものだ。日本のこうした行為は今や、中日間の空の安全問題を引き起こす元凶となっている。日本のデータによると、航空自衛隊機の中国機に対する緊急発進の回数は、2005年度は107回、2012年度は306回、2013年度は415回と、記録を更新し続けている。
次に、日本機は中国の沿海と公海で正常な活動を行っている中国の艦艇・軍機に接近し、偵察・妨害を行い、中国の国家安全と艦艇・軍機の安全を著しく損ねている。統計によると、日本機の中国に対する接近偵察は毎年500回前後に達しており、日本は絶えず中国の艦艇・軍機の正常な航行・訓練を近距離で妨害し続けている。今年6月11日、中国のTu-154型機が中国近海の空域で正常飛行中に、航空自衛隊のF-15型機2機に追跡され、約30メートルの距離まで接近された。日本側のパイロットのやり方は極めて危険かつ、明確な挑発の意思を伴うもので、中国機の安全飛行に深刻な影響を与えた。日本の戦闘機は過去2年間、中国の正常巡航中の非武装の公務用機を幾度も追跡・妨害している。
さらに、日本の戦闘機が対応している中国機は、日本の領空に全く入っておらず、全て中国の領海・近海・公海の上空を正常かつ合法的に飛行している。防衛省も、日本の領空に入る「恐れがある」外国機に対し、航空自衛隊の戦闘機が4-6月に340回緊急発進したと発表している。ちなみにこの回数は、3カ月ごとの回数の発表を始めた2005年度以降、過去最多となった。しかし、中国を含む他国の航空機は、1度も日本の領空に侵入していない。
日本側は長期にわたり、中国の艦艇・軍機に対する接近・偵察・追跡・監視・妨害を行い、中国の国家安全と艦艇・軍機の安全を著しく損ねてきた。これは、中日の海と空の安全問題を引き起こす元凶にもなっている。日本は関連の国際法を尊重し、効果的な措置を講じ、中日間の軍事衝突を防ぐべきだ。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年11月2日