中国の建設会社「中国鉄建」はこのほど、建設を進めていたアンゴラを横断するベンゲラ鉄道が全線完成し、年内に正式に運営を開始することを明らかにした。中国が海外で建設した鉄道としては今世紀最長となる全長1344キロの鉄道だ。中国は1970年代にもタンザニアとザンビア間を結ぶタンザン鉄道の建設を援助した。新華社が報じた。
同鉄道建設に当たり、中国鉄建二十局集団は設計から建設工事までを一括して請け負うEPC(設計・調達・建設)方式を採用した。同鉄道は、アンゴラの大西洋岸にある港町ロビトとコンゴ民主共和国のカタンガ州から、ベンゲラやウアンボ、クイト、ルエナなどの主要都市を通って、コンゴとの国境都市・ルアウまでつながっている。全67駅で、設計時速は90キロ。18億3000万ドル(約1875億円)が投じられた。
資材、設備は全て中国から輸入
同社の副総経理兼アンゴラ工事指揮部指揮長の劉峰氏は、「同鉄道は、中国鉄道の基準を採用して建設された。アンゴラで再建された鉄道の中で、最長、最速、最大規模の現代化鉄道プロジェクトだった。ロビトの経済回廊となる大動脈である」と説明している。
同プロジェクト開始前は、欧洲の基準と中国の基準、どちらを採用するかをめぐって激しい議論が巻き起こった。最終的に、中国の高速鉄道が近年急速に発展していることや、提出した工期や工事費、質が評価され、中国鉄建が請け負うことが決まった。劉氏によると、「同鉄道は設計から施工に至るまで、全て中国の鉄道の建設基準が採用された。また、レールやセメントなどの建設資材、通信、大型機械、設備なども全て中国から仕入れた。運営開始後に投じられる車両も中国企業が提供することになっている」。
関係国の鉱石輸出コスト削減に期待
同プロジェクトでは、合わせて約10万人の現地労働者が建設に加わり、指導や実践を通して、約1万人が溶接や機械操作、列車運行管理などの専門的な技術を身に付けた。
同鉄道の全線運営が始まると、アンゴラとコンゴがつながるだけでなく、将在ルアカノ駅で 建設が計画されているアンゴラとザンビアを結ぶ鉄道とつながる計画となっている。さらにタンザン鉄道ともつながり、コンゴやザンビアなどの内陸国と海辺の都市を結ぶ主要な鉄道となる計画で、実現すれば関係国の鉱石輸出コストが大幅に削減できると期待されている。また、ナミビアやマラウイ、モザンビークなどの周辺国の鉄道網とも連結することで、アフリカ南部全体がつながる鉄道が形成され、大西洋とインド洋をつなぐ国際鉄道網となり、地域の経済発展が促進されることが期待されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年8月14日