ハリーポッターの「忍びの地図」が現実に? 米研究
米カーネギーメロン大学の研究者はこのほど、コンピュータ分析を通じて人の位置を測定し、リアルタイムで地図上に表示するソリューションを開発した。顔認識、カラーマッチング、位置追尾といった技術を駆使することにより、まるで「ハリーポッター」に出て来る「忍びの地図」のように、人のいる位置をリアルタイムで見つけ、追跡することができる。米サイト「Phys Org」の記事を引用し、科技日報が伝えた。
「非負の離散化に基づく複数人の測位と追跡」と題する同論文によると、研究者らが開発したアルゴリズムは、屋外だけでなく、屋内にいる人間も追跡可能というメリットを持つ。屋内には壁や家具といった障害物があるため環境が複雑で、高度な技術が必要となる。
研究者は「理想的な『忍びの地図』を作るためには、複数の異なる情報を統合させる必要がある。このため、我々はこの測位・追跡アルゴリズムを開発した」と語る。
同アルゴリズムは、服のカラーマッチング、人物検出、顔認識、位置予測といった様々な情報を手がかりに追跡を行うというもので、複数の追跡技術で全ての利用可能な手がかりを組合せてフレームワークにまとめ、最終的なソリューションを形成する。
防犯カメラの映像をカメラネットワークを介してコンピュータに取り込めば、同アルゴリズムによる分析を行うことができる。ある老人ホームで行われたテストでは、13人の追跡を行ったが、同技術を使った場合、その他のソフトウェアよりもかなり精密な結果が得られたという。
この技術は主に法に基づく強制調査に応用できるほか、老人ホームでの認知症患者の追跡、大型倉庫やショッピングセンターでのサービスなどにも利用できる。
研究者らは6月に米オレゴン州ポートランドで行われるIEEEのパターン認識コンピュータビジョン国際会議で同論文を発表し、詳細な説明を行うという。研究者は「我々のアルゴリズムは、信頼できる顔認識技術を駆使し、複数の学習アルゴリズム・非負の離散化アルゴリズムを組み合わせており、効果が高い」と述べる。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年6月3日