四川省の緊急地震速報・烈度速報プロジェクト、検収に合格
四川省成都市の防震減災局が施工を担当し、成都ハイテク減災研究所が技術面の支援を提供した成都市の地震烈度速報(注:烈度は中国で使用されている12段階の震度階級)2期プロジェクトが27日、検収に合格した。緊急地震速報・烈度速報の両機能を備えるプロジェクトが検収に合格したのは中国初となる。中国新聞社が伝えた。
今回の検収では、中国工程院の許紹燮院士が専門家グループ長を務めた。検収合格により、中国が独自開発した地震速報技術が初めて本格的に都市部の地震速報システムに応用されることとなる。
今期のプロジェクトで成都市に建設された緊急地震速報・烈度速報の観測点は57カ所。1期プロジェクトの観測点と合わせると、烈度速報の観測点は計124カ所となった。2期プロジェクトではこれまでの烈度速報に加え、新たに緊急地震速報機能が備わった。
同プロジェクトは試運転段階ですでに、成都及び周辺で発生した地震(四川省雅安市芦山県で発生したM7.Oの地震を含む)の緊急速報発信に成功している。
緊急地震速報とは、地震の発生から地震波が到達するまでの間に、地震波よりも速い電波を利用して警告を発するもので、反応・判断・意思決定の時間をかせぎ、緊急措置を講じて死傷者を減らし、地震による高速鉄道、地下鉄、ガスや石油のパイプライン、化学工場、核施設など重要施設の二次災害を防ぐことが目的。
ある研究によると、揺れ到達までに3秒間あれば死傷者は14%減少し、10秒あれば39%減少する。もし四川大地震の際にこのシステムがあれば、死者を2-3万人減らすことができたという。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年5月28日