神舟10号、天宮1号の「旋回」を計画 (2)
■神舟10号の新任務
包氏は、「神舟10号は宇宙空間で、目標物(天宮1号)の周辺を旋回するなどの新実験を実施する。これは今後の宇宙ステーションの建設に向けた準備だ」と語った。
将来的に建設される宇宙ステーションは、複数のドッキング位置を持つ可能性がある。宇宙船は一つの方向からのみドッキングするとは限らず、ステーションを旋回して別の位置からドッキングする可能性がある。そのため宇宙船は旋回の技術をつける必要があり、今回はその機能が試されることになる。
張総設計士は、「神舟10号はこれまでの実験内容を引き継ぎ、今後の実験を発展させる任務を担う。現在は、宇宙ステーション建設のコア技術の把握に重点的に取り組む段階だ。宇宙ステーションの建設と運営の過程で生じうる問題を、天宮1号の飛行によって発見・解決・検証する」と説明した。
中国有人宇宙飛行プロジェクトの周建平チーフエンジニアは今年の「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)の開催期間に、「神舟10号は青少年向けの宇宙科学教育活動を初実施する。これは今回の任務の注目点だ。天宮1号は宇宙の教室になり、神舟10号の宇宙飛行士が地球に向け科学教育を行い、宇宙実験を実演する。興味がある人は、テレビで受講することが可能だ」と語った。
周チーフエンジニアは、「中国は現在、大推力のロケットと補給機の開発に取り組んでおり、建設中の海南発射センターは2年内に使用可能になる。同センターは主に宇宙ステーションのモジュールと補給機の打ち上げに用いられ、将来的に宇宙ステーションプロジェクトの重要発射センターになる」と述べた。
■唯一の女性候補者
周チーフエンジニアは両会の開催期間、「今年は3人の宇宙飛行士が神舟10号に搭乗する。彼らは天宮1号で12日間滞在し、打ち上げと帰還を含め宇宙空間に15日間滞在する。神舟9号の3人の宇宙飛行士は、神舟10号の選抜に加わっていない。王亜平さんは、選抜訓練に参加している唯一の女性宇宙飛行士だ」と語った。
中国航天基金会理事長、人民解放軍総装備部元副部長の張建啓氏はメディアの取材に応じた際に、「神舟10号の宇宙飛行士は男性2人、女性1人を予定している。健康状態に問題がなければ、王亜平さんが神舟10号に搭乗する可能性が高い」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年4月1日