パンダの変遷史 中国人科学者の研究結果が発表
中国科学院動物所、華大遺伝子研究センター等の部門によるパンダの個体群の変遷および適応性に関する研究成果が、12月17日に「ネイチャージェネティクス」のウェブサイトに掲載された。同研究は、ゲノム学および個体群遺伝学により、パンダの完全な変遷史の輪郭を浮かび上がらせ、パンダが絶滅の危機に瀕した主因は人類の活動であると指摘した。中国科技網が伝えた。
科学者が遺伝子情報を基に研究を進めたところ、パンダは約300万年前に肉食から草食(竹)に変化し、小型のパンダが出現した。当時の高温多湿の環境もまた竹林の成長に適しており、パンダの個体群が拡大した。約70万年前にパンダの個体群が減少を開始し、約30万年前にボトルネックに陥った。中国ではこの期間に、二度の大規模な更新世による影響が生じた。気温が急激に低下したことにより、小型のパンダが大型に変わった。後ろから数えて二番目の氷河期を経ると、パンダの個体群が再び増加し、3−5万年前にピークに達した。この期間の温暖な気候が、パンダの繁殖を促したと見られる。またこの時期の高山・針葉樹林は、パンダの生活に適した環境であった。最後の氷河期の最盛期において、高山に氷河が生じたため、多くのパンダが生息地を失い、二度目のボトルネックに陥った。
研究によると、約30万年前にパンダの種類が「秦嶺」と「非秦嶺」に分かれた。シミュレーション結果によると、「非秦嶺」は約4万年前に3倍に増加し、「秦嶺」は80%減少した。その後「非秦嶺」の数が減少し、「秦嶺」は安定化に向かった。約2800年前、「非秦嶺」は「岷山パンダ」と「キョウライ山・大小相嶺・凉山パンダ」に分かれ、現在の安定的な3種の遺伝子を形成した。科学者は、「人類の活動が地理的な隔たりを生み、小相嶺パンダのような独立した種を生み、長期的に危険な状態に置かれた」と分析した。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年12月21日