2012年の日本企業の対中投資は増加
中国日本商会が編纂した「中国経済と日本企業2013年白書」(白書)の記者会見がこのほど北京で行われた。「白書」によると、2012年の日本企業の中国への投資は引き続き増加する傾向を見せており、投資の重点は製造業となっている。同時に日本企業は引き続き中国市場を重視し、中国の人口高齢化の「シルバー産業」がもたらす巨大なビジネスチャンスなどを楽観視していることが明らかになった。
▼日本企業の対中投資は引き続き増加
2012年の中国の外資誘致が実施ベースで3.7%減少する中で、日本企業の対中投資は逆に16.3%増加している。投資分野を見ると、製造業が依然として日本企業の投資の重点となっている。
日本貿易振興機構が2012年10月から11月にかけて行ったアンケート調査によると、52.3%の日本企業が引き続き中国での業務を拡大すると答えている。
▼「中国工場」から「中国市場」へ、巨大な市場の魅力を注視
「白書」によると、日本企業は引き続き中国の生産基地への投入や建設の強化を重視すると同時に、中国の巨大な市場の魅力へと注目が移りつつある。
地域分布から見ると、沿海地区が引き続き日本企業の注目の重点となっている。上海、江蘇省、浙江省の3カ所は産業の集中度が高く、産業チェーンが整備されているという優勢や、生産と販売の潜在力が評価されており、華南と華北地区がそれに続く。広大な中西部地区について日本企業は、沿海地区の産業がこうした地区に移転するには時間がかかると見ており、中西部の人的コストの優勢がいつまで続くかが懸念材料となっている。