中国の宇宙事業、390億元の投資で4000億元の収益が可能に
キシリトールガム、有機野菜、スニーカーの靴底、デジタル高画質テレビ----有人宇宙技術と言うとまるで遠く手が届かないものに見えるが、実際には生活のあちこちで宇宙技術から派生した製品を目にすることができる。国際金融報が伝えた。
有人宇宙事業の開始から20年が経過し、中央財政から計390億元(約6240億円)の経費が割かれ、主に技術開発、サンプルの製造、飛行製品の製造、試験施設・設備の建設、陸地での大量の実験、飛行試験に充てられている。米国・欧州の各研究機関が、異なるモデルと手段を採用し行った調査結果によると、宇宙事業に1円を投入することで、7−12円の収益が得られるという。これはつまり390億元の有人宇宙プロジェクトが、約4000億元(約6兆4000億円)の産業を形成する可能性があることを意味する。
アナリストと専門家はこのほど、宇宙技術の民用化について、「経済の法則および海外の経験から見ると、宇宙などの軍事寄りの技術の発展は、中国の軍需産業と関連するハイテク技術などの産業をけん引する。さらに技術が成熟すれば、より広範囲の実用化が実現され、衛星測位システム北斗のような民需商品が多く生まれる」と指摘した。
中国有人宇宙技術の「第1ステップ」である有人宇宙船段階は、有人宇宙船「神舟5号」と「神舟6号」により順調に完了された。ドッキング目標機「天宮1号」の打ち上げ、「神舟10号」とのドッキングは「第2ステップ」の宇宙実験室段階に属し、「第3ステップ」の宇宙ステーション建設に向けた技術面の準備となる。
ドイツの週刊紙は、「中国の宇宙計画推進の主要目的は、威信の樹立だ。この世界2位の経済大国は、安価な消費財を生産できるだけではなく、技術面でも米国に追いつけることを証明しようとしている」と指摘した。
◆宇宙事業と空母の競争