中国の宇宙事業、390億元の投資で4000億元の収益が可能に (2)
2105年までに、中国国防情報化産業の生産高は、年間267億6000万元に
ある証券会社の戦略アナリストは取材に対し、「神舟10号と中国有人宇宙事業の3ステップ戦略は、中国の軍需産業に長期的な発展の機会をもたらし、市場の短期的な情報操作の的になるだろう」と指摘した。同氏から提供されたデータによると、5月末より軍需産業関連株に、多くの資金が集まっているという。
南京大学の宋頌興教授は、「中国は防衛中心の国防政策を実施しているが、これは中国が軍需産業を発展させないわけではない。一連の流れと国家計画から見ると、軍需産業は注目する価値がある」と述べた。
現状を見る限り、宇宙技術のみならず、空母・国防情報化も、軍需産業の発展を促す可能性がある。海外メディアはこのほど、「中国は段階的に空母建造計画を実施する。第1段階では4隻の通常動力空母を、第2段階では2隻以上の原子力空母を建造し、2020年頃に海軍に交付する」と伝えた。しかしこの情報は、公式な裏付けを得ていない。
華創証券は、「中国国防情報化の3ステップ発展計画によると、2020年に情報化主導の機械化を実現することになる。中国は2015年までに年間平均10%のペースで軍事費を増加させ、軍事電子・通信システムなどの情報技術が国防費に占める比率は3%に達する見通しだ。それならば、2105年に、中国の国防情報化市場の生産高は、年間267億6000万元(約4280億円)に達することになる」と計算した。
宋教授は、「神舟10号や空母などが、電子技術、太陽光収集、特殊鋼材、大型機械などで採用しているのは、中国最先端の技術・製品ばかりかもしれない。つまり神舟10号の打ち上げ、空母の登場などは、その他の産業の発展を促進することが可能だ」と分析した。
◆軍用と民用の「出会い」