フォーチュンフォーラム、専門家が中日の経済について語る
「ユーロの父」ことノーベル経済学賞受賞者のロバート・マンデル氏、清華大学経済管理学院の李稲葵教授、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の閻慶民副主席はこのほど、成都で開催中のフォーチュン・グローバル・フォーラムに出席し、中日の経済などについて対話を行った。新華網が伝えた。
▽人民元の自由な兌換はいつ実現?
マンデル氏は、「人民元の国際的な影響力は増し続けている。人民元が国際通貨になれるかどうかは、自由な兌換と高い流動性が実現できるか否かにかかっている。中国政府は政策を調整し、人民元の自由な兌換を徐々に実現するべきだ。歴史を振り返ると、米ドル・英ポンドも国際通貨になる前、この道をたどってきた。このほかにも、人民元が真の意味で国際決済通貨になるためには、大規模な試験が必要だ、英国もかつてこうした試験を行っている。大規模な試験により、多くの具体的な状況が明らかになるだろう」と指摘した。
李教授は「中国の外貨準備高は多く、これを減少させる必要がある。自国通貨を真の意味で『海外進出』させ、この過程を通じて国内に余地を作ることで初めて外貨を中国に導入することができる。人民元が国外へ、外貨が国内へ、という双方向の流動を形成することが非常に大切」と語った。
▽注目を集める日本の量的緩和
日本の量的緩和および大幅な円安が、アジア貿易などに大きなリスクをもたらすのではとの懸念について、マンデル氏は「1985年から1995年にかけ、円の対ドル相場は3倍に上昇した。1990年から2006年までの16年間、日本では不景気が続き、不動産価格も下落の一途をたどり、日本は長期的なデフレ期に入った。2006年から07年にかけ、日本はインフレ率を2%前後に保ち、経済成長を促進しようと考えた。日本が今行っている量的緩和はこの大規模な試験と言える」と語った。