フォーチュンフォーラム、専門家が中日の経済について語る (2)
李氏は「量的緩和政策や円安により、農家の収入上昇、輸出促進など、短期的な効果がもたらされるだろう。しかし長期的にはどうだろうか?紙幣を印刷するばかりで抜本的な改革を行わなければ、この方法も長くは続かない。円安が続けば、不満を持つ国も出てくる。我々はこうした量的緩和策が他の国や市場に波及するのを厳しく防がなければならない。波及効果はその他の国に被害をもたらす。私は円の政策と動向に懸念を感じている」と語った。
▽中国の地方債は安全?
最近、中国の地方政府の債務率が上昇している。地方政府へ資金を提供する「シャドーバンキング」の問題も突出しており、これが中国金融業の隠れたリスクとなり、危機をもたらすのではないかと、一部で懸念の声が上がっている。
これについて李教授は「今、中国の貯蓄率は世界最高で、GDPの50%を占め、まだ安全ラインにあると言える。中国では多くの人が投資を通じて利益を得たいと望んでいる。このような環境下でレバレッジ比率が上昇したとしても、今のところ心配には及ばない。ただし、レバレッジ上昇のすう勢には警戒が必要だ。特に中国は今、新たな改革に取り組んでおり、地方政府の公共財政・税制改革に関わる一部の措置がまもなく発表される予定だ。商業銀行の融資ばかりに頼るのではなく、地方政府に新たな融資手段を提供し、投資建設を進めるべきだ」と指摘した。
閻副主席は「中国の金融業は、農業、製造業、現代サービス業、IT業など実体経済への投資を増やすべき。シャドーバンキングについてだが、中国のシャドーバンキングは米国のそれとは違う。我々は効果的にシャドーバンキングを監督管理・制御できる」と語った。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年6月9