◆市場の期待
安倍内閣の2013年の改革には、消費増税の低所得層に対する影響の減少、高所得者の所得増税が含まれ、遺産相続税の増加、住宅購入者の税還付等を実施する可能性がある。安倍氏は12月18日に、脱デフレの司令塔の役割を果たす、経済再生担当相の新設を決定した。甘利明政調会長が、同ポストを担当する見通しだ。経済再生担当相は、新設される政府部門「日本経済再生本部」を率い、再開される経済財政諮問会議の具体的な業務を担当する。
投資家は自民党が政権担当後、力強い景気刺激策を実施することに期待しており、株式市場が全面高となっている。特に円高により赤字が発生したソニー、パナソニック、シャープ等の株価が急騰している。日経平均株価は12月19日に、前日比237.39円高の1万160.40円を記録した。日経平均株価が1万円の大台を超えるのは今年4月3日ぶりで、今年最大の上昇幅を記録した。また円相場も11月中旬より5%低下している。しかし円安は、日本の輸出額を押し上げなかった。財務省が12月19日に発表した11月貿易統計(速報)によると、貿易赤字は11月としては過去最大の9534億円を記録した。日本の貿易赤字はこれで5カ月連続となり、その主因は対中国自動車輸出の激減だ。今年11月の赤字額もまた、比較可能な1979年以降で3番目となった。今年通年の赤字総額も過去最大を記録する可能性がある。
これは経済復活を誓う安倍氏にとって難しい問題であるが、より大胆な景気刺激策の口実ともなる。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年12月20日
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