伝統的金融業を脅かすネット大手の金融サービス (3)
多くの変化を経ながらも、伝統的な銀行の動きはネット企業ほど速くはなっていない。現在、ネット金融産業は単なる決済業務から、振替・送金、国境を越えた決済、少額貸出、現金の管理、資産管理、供給チェーンの金融、ファンド、保険の代理販売、クレジットカードの返済など、伝統的な銀行が担ってきた業務へと駒を進めている。預金だけでなく、銀行の主要業務のほとんどすべてがネット金融の挑戦を受けているといえる。余額宝が伝統的な銀行業の普通預金や短期間の資産管理商品に与えた影響は軽視できない。ネット大手にとって、今足りないのは銀行業の正式な営業許可プレートだけで、銀行と同じ業務をしているのが実態だ。
興業銀行で長年にわたり金融貸出サービスを担当してきた人によると、極端にいえば、未来のすべての消費者と商店は大手ネット企業のどれかの顧客になり、銀行の顧客はネット企業だけになる可能性がある。伝統的な銀行が突破口を開いてグレードアップをはからなければ、将来は隅に追いやられる可能性があるという。
当然のことだが、比較的楽観的な味方をする人もいる。中国社会科学院金融研究所銀行研究室の曽剛主任は、ネットと金融産業は完全に競争関係にあるわけではなく、両社には融合の可能性や相互に補い合う可能性があると話す。
また中国社会科学院の李揚副院長によると、これからの発展の中で、新興の金融は国有企業と民間企業が共同で発展させる金融システムとなり、現場で発生し、実体経済と密接に関連した金融活動になるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年8月14日