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伝統的金融業を脅かすネット大手の金融サービス (2)

 企業はこのような変化を肌身で感じており、特に小規模企業やミクロ型企業が強く感じている。企業が享受できる金融サービスがグレードアップしたからだ。阿里巴巴金融がうち出した、貸出から3日以内に全額を返済すれば利息を返還するというサービスは、国内の貸出市場で初めて債務者への利息の返還を自らうち出した貸出保障条項だ。阿里巴巴によると、今後は貸出利用者への情報サービス提供を予定しており、大型の販売促進キャンペーンの前に、どれくらい前倒しで貸出を行えばよいか、店舗での普段の取引データからどれくらいの資金を準備する必要があるか、商品の準備や物流などにかかる資金をどのように分配するかを売り手側に通知するという。

 荊副院長によると、ネット金融は少額貸出の分野でもともと優位に立っている。大手銀行は個別の少額の貸出ではコストが引き合わず、このことがネット金融に発展の可能性を与えたという。

 ネット企業の金融産業への進出による最大の変化は、ルールの再構成だといえる。阿里巴巴傘下の阿里小貸を例に取ると、阿里巴巴などのプラットフォームに長年蓄積された大量のデータに基づき、リスクを効果的にコントロールすると同時に、ネットを利用した大量化やパイプライン化によってコストを引き下げることも可能だ。より重要なことは、ネット企業の金融産業への進出によって新しい少額貸出の理念が定着したことだ。貸出はもはや権利ではなく、公平で合理的に取り引きされる商品でありサービスとなった。

 ▽伝統的銀行の主要業務のほぼすべてが挑戦受ける

 勢い盛んなネット企業を前にして、銀行が何も感じていないわけではない。荊副院長によると、大手銀行はネット金融というパイをたやすく手放すはずがない。ネット金融はこれからの発展の方向だからだ。ネットが金融分野に進出したことにより、伝統的な銀行サービスのイノベーションが促進されつつある。招商銀行は中国聯通(チャイナユニコム)と提携し、2012年11月に国内初のモバイル決済サービス「招商銀行モバイルサイフ」をうち出した。上海浦東発展銀行や中国農業銀行中国建設銀行などもモバイル決済分野における戦略プランや新サービスを相次いでうち出した。

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