広珠都市間鉄道で交通ICカードが利用可能に
広東省の広州市と珠海市を結ぶ高速鉄道・広珠都市間鉄道は25日、交通ICカード「中鉄銀通カード」を発行した。このカードを自動改札にかざすだけで高速鉄道に乗車可能で、乗車券を購入する必要はない。広珠都市間鉄道は当面、同カード利用者枠として1列車につき10枚の2等席チケットを確保する方針。カードの販売担当者は、磁気・IC複合型カードであるため、紛失しても再発行ができず、取扱・保管に十分注意するよう、顧客に呼びかけている。広州日報が伝えた。
○中鉄銀通カードは実名登録制、わずか1分で発行
広東省中山市で商売を営む郭氏は25日午前、カードの発行手続きを行った。まずサービスカウンターで発行申込書に必要事項を記入した。その後、専用の申込窓口に赴き、申込書、身分証、初期チャージ額300元(約5千円)を提出する。ものの1分も経たないうちに、氏名と身分証番号が印字された「中鉄銀通カード」が完成した。
○中鉄銀通カード、今後は国内の全高速鉄道網をカバー
中鉄銀通支付公司の職員は25日、「広珠都市間鉄道は、交通共通ICカーを最初に導入した高速鉄道という訳ではない。海南東環鉄道、京津(北京・天津)都市間鉄道、滬寧(上海・南京)都市間鉄道、滬杭(上海・杭州)都市間鉄道などでも、すでに中鉄銀通カードが利用できる。例えば、京津都市間鉄道では、各列車3-4両分の座席を同カード利用者のために確保している。今後は、カード利用対象路線を、広深港(広州・深セン・香港)、武広(武漢・広州)、京広(北京・広州)の各線をはじめ国内の全高速鉄道網に拡大していきたい」と述べた。
○カード所持者はチケット購入不要、直接改札口へ
同職員は、次の通り説明を続けた。
「このカード一枚あれば、乗車前にチケットを購入する必要はなく、自動改札にカードをかざすだけでホームに進み、乗車できる。目的駅で下車後、再び自動改札にカードをかざせば、チャージ額からチケット代金が引かれる仕組みで、暗証番号を入力する必要は一切ない。事前にカードにチャージを済ませ、カード発行時に身分確認が済んでいるため、自動改札でカードをかざすだけでOKという簡便さは、大きなメリットとなっている」。
○今後は乗客の個人情報漏えいを防ぐ機能が付いたカードにアップグレード
「万が一、カードを紛失した場合、カードの表面には氏名と身分証番号が印刷されており、カード内部には個人の乗車記録が入っている。個人情報が漏えいするリスクはないのだろうか?」と心配する市民の声が上がっている。職員はこれに対し、「乗客の皆さんの意見を集め、可能な限りそれらの要望に応えていくつもりだ。たとえば、カード上の氏名の一部を記載しない、身分証の末尾数ケタの番号をアルファベットに変えるなど、カード表面に印刷される情報をさらに合理化することを考えている」と述べた。
「もしカードを紛失した場合は、すぐに顧客サービスセンターに電話で連絡してほしい。カードの使用が一時的にできなくなるよう直ちに処理する」と職員は注意を促した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年11月26日