在職者にかかる年金負担は黒竜江省が最大 大都市は年々低下
中央財経大学(北京)中国社会保障研究センターが6日発表した「中国社会保障発展指数報告2012」によると、中国全土の城鎮(非農村部)は現在、在職者約10人が3人の定年退職者を養っている状態だ。在職者にかかる負担が最も大きいのは黒竜江省で、最も小さいのは広東省だった。北京や上海、広州市(広東省)の同負担は3年連続で低下している。中国青年報が報じた。
同報告をまとめたのは、同センターのチュー(ねへんに者)福霊・主任や人力資源・社会保障部の専門家コンサルティング委員会の専門家ら。国や地方が公開している出版物や関連の規範性データソースを基に、2011年中国社会保障発展を定量分析しまとめた。
同報告では、「城鎮の労働者年金保険負担係数」を通して、中国全土や各省(区、市)の年金保障発展の持続可能性を導き出している。同係数が高いほど、在職者にかかる負担が大きい。中でも、最も負担が大きかった黒竜江省の同係数は、在職者10人で定年者6人を養うことを意味する0.6324だった。一方、負担が最も低かった広東省の同係数は0.1087と、10人で1人を養うにとどまっている。
同報告によると、同係数が0.2以下の省は広東省と浙江省の2省だったのに対し、0.5を超えた省は黒竜江省や吉林省、重慶市の3カ所だった。中国西部の甘粛省や青海省、四川省、新疆維吾爾(ウイグル)自治区などの同係数はいずれも0.4以上と、在職者にかかる負担が大きかった。
一方、北京や上海、広東省など、人口の流動が大きい都市はいずれも同係数が0.5以下だった。うち、北京は0.2265で、理想的な状態となっている。また、同3都市は2009-11年の3年間、同係数が低下しているのに対し、黒竜江省や吉林省などの東北の工業地帯は、負担が年々大きくなっている。
報告の中の、城鎮労働者年金基金「残高係数」も注目に値する。同報告は、中国全土の同係数を1.5274と算出している。チュー主任によると、同数字は年金基金の残高だけで1年半年金を持続させることができることを意味している。「私個人の判断によると、この残高の水準は合理的」とチュー主任。「賦課方式(働く現在現役の人が払い込んだ金を現在の高齢者に支給する仕組み)では通常、残高は1年以下。しかし、中国は現在、賦課方式と積立方式(若い現役時代に払い込んだ金を積み立て、老後にそのお金を受け取る仕組み)を結合させた年金制度を採用しているため、残高が少し多めになる。1-2年の間なら合理的な範囲」と解説している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年11月13日