パナソニックが撤退表明 プラズマの「死刑」宣告?
日本のパナソニックは10月31日、今年12月にプラズマディスプレイの生産を停止し、2013年の財政年度となる来年3月末までにすべてのプラズマ関連事業を取りやめると発表した。業内関係者によると、今回の措置はパナソニックにとって不可避の措置だが、これまでどうにか持ちこたえてきたプラズマ陣営はこれで急速な崩壊を迎える可能性がある。
▽栄光の過去、無残な撤退
わずか3年前まで、パナソニックやソニーなどの日本の家電メーカー大手は、優秀な技術とすぐれた工業デザインによって、家庭用電子機器の分野を席巻していた。このうち、液晶やプラズマフラットテレビの世界的な販売好調は、日系家電メーカー大手の売上の重要な部分となっていた。パナソニックのテレビ事業は2010年にピークを迎え、営業収入は100億ドルを超えていた。
だが好景気は長くは続かず、フラットテレビ市場が飽和に向かい、国際金融環境が悪化し、コストが上昇し、液晶テレビが急速に発展するなどの複合的な要素の作用を受け、パナソニックのプラズマ事業は急速に下降に転じた。まずはプラズマ事業への投資が引き締められ、今年初めには上海のプラズマ工場が閉鎖し、さらに今回のプラズマ事業撤退の宣言に至り、投資額2000億円余りの兵庫県尼崎工場も手放すこととなった。財務報告によると、パナソニックの2012年度の総収入は7兆3030億円で、前年より6.9%低下した。純損失は7543億円で、2011年度の純損失7722億円とともに2年連続の大赤字となり、パナソニックにが再編・復興の道を歩むことを決心するきっかけとなった。まず取り掛かることとなったのが“止血”措置であり、利益をあげていないプラズマ事業からの完全撤退などが進められつつある。
▽「死因」分析:液晶の猛攻、プラズマ技術の閉鎖性
プラズマテレビはかつて、大画面やハイエンドの代名詞だった。液晶テレビが大画面の良品率とコストの問題を解決できなかった2005年から2008年の頃は、プラズマテレビはほとんどすべての大画面市場のシェアを独占していた。その優れた動態効果や高いコントラスト、色彩の自然さなどの多くの強みは、現在最高級の液晶テレビをもはるかに上回っており、さらにプラズマテレビメーカーではパナソニックが間違いなく群を抜いていた。