中国メディアが見た日本の「食材虚偽表示問題」
最近、食材の虚偽表示問題が日本のメディアをにぎわせている。一部の有名ホテルや百貨店は、安価な食材を高級食材と偽り消費者に販売したことを認め、信頼回復のために、公の場で謝罪したホテルや百貨店もある。日本の各メディアは、食品偽造問題の主な原因として、飲食業界全体の管理不行き届きを取り上げ、消費者の側も意識改革を進めるべきとの見方を示している。今回の事件をきっかけに、東京駐在の新華社記者は、日本の食の安全をめぐり、掘り下げた取材を行った。新華網が報じた。
○信用失墜
いくつかの百貨店や高級ホテルは、その食料品売り場やレストランで扱っている食材の表示において、実際に使用されているものとは異なる表示を行ったことを認めている。
大丸松坂屋百貨店は、昨年暮に愛知県と福岡県で販売したおせちに入っていた「車海老のテリーヌ」の材料が、実際はブラックタイガーだったと発表した。
東急ホテルズ傘下のホテル併設レストラン22軒と宴会場7カ所では、「芝海老」と表示して実際には「バナメイエビ」を使用していたほか、牛脂を注入した加工肉を「ステーキ」として顧客に提供していた。
日本の食材の安全性と品質には定評があり、国内外の消費者は非常に良いイメージを抱いていた。今度のスキャンダルが発覚したのが、高級で高価な食品であったことで、今後の販売状況に深刻な影響が及ぶと予想されるだけでなく、「日本の食品」全体へのイメージダウンにも繋がりかねない。
今回の事件の影響はかなり深刻となる模様だ。たとえば、ほとんどの日本人がお正月に準備するおせちは、さまざまな種類の精致な日本料理が美しい重箱に詰められており、価格は大体2千元から3千元(約3万2千円から4万8千円)あるいはそれ以上と、かなり値が張る。おせちは年末までに予約注文しなければならないため、今回の「食材偽装表示」事件は、問題となったレストランのおせち販売に大きな影響を及ぼすと予想される。