携帯電話、「機内モード」で充電スピードアップ
「携帯電話を『機内モード』にしておくと、充電スピードが2倍速くなる」という情報が、ネットユーザーの間で話題になっている。実際に実験してみると、「機内モード」に設定して充電した時の充電スピードは確かに速くはなったが、噂されている「2倍」も速くはならなかった。金陵晩報が伝えた。
○「機内モードで充電スピードアップ」ネット上で話題に
あるネットユーザーがこのほど、「暮らしの裏ワザ」として、「携帯電話を機内モードに設定して充電すると、充電スピードが2倍速くなり、急いでいる時には大変便利」と投稿した。
この「裏ワザ」は、多くのネットユーザーの注目を集め、「携帯のバッテリがすぐなくなると常々思っていた。こんな裏ワザがあったなんて!さっそく試してみよう」というコメントが次々と書き込まれた。
○比較実験:「機内モード」で充電スピード65%アップ
記者が10月31日午後、同僚たちから同じ型番の携帯電話2個を借り、「機内モード」をそれぞれ「オン」と「オフ」に設定、充電にかかる時間を調べてみた。
ブラックの携帯電話は、「機内モード」をオンに設定。充電を開始した午後6時時点のバッテリ残量率は18%。午後6時30分時点のバッテリ残量率は51%、差し引き33%が充電された計算だ。もう1つのホワイトの携帯電話は、「機内モード」をオフにした。午後6時時点のバッテリ残量率は77%、6時30分時点で97%になっており、同じ時間内に20%充電されたことになる。
この実験から、携帯電話の充電スピードは、「機内モード」をオンにした方が速いことが証明されたが、2倍も速くなったわけではない。ブラックとホワイト、2台の携帯電話の充電量を比べると、ブラックの方がホワイトより13%多く、スピードは約65%速かった。
○専門家による解説:「機内モード」=「省エネ」モード
「機内モード」をオンにすると、携帯本体の電源がオンになっている以外は、携帯の通信機能(発信・受信)およびその他の各種機能が全てオフになる。このような状況下では、バッテリの消費量は極めて少なくなる。
華為技術有限公司(ファーウェイ)の技師補佐を務める周氏は、「携帯電話のバッテリ消費のほとんどは、通信によるものだ。『機内モード』にすると、通信が一切遮断されるため、通話やショートメール発受信ができなくなり、極限の省エネモードとなる。通常の状況では、携帯は充電時にも、通信機能がオンになっているため、大量のバッテリを消費する。一方、『機内モード』にしておけば、バッテリの消費は極力抑えられる」と説明した。
周氏は、「充電スピード約2倍」説について、「ネット上で噂されているこの数値には、科学的根拠はない。状況が異なれば、スピードも変わる」との見方を示した。そして、「大体どのくらい速くなるのかに関しては、携帯電話の種類、新しさ、素材など各種要因と関わってくるため、さまざまな数値が出ると予想され、決して一概には言えない」と続けた。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年11月4日