ニュージーランド首相、粉ミルク事件で訪中謝罪へ
ニュージーランドのジョン・キー首相は13日、今年中に北京を訪問し、乳業大手フォンテラの一部製品からボツリヌス菌が検出された事件について、中国人消費者に謝罪を表明したいとの意向を明らかにした。キー首相は「謝罪は、ニュージーランドの食の安全に対する国際社会の信頼を回復するために重要なステップ」としている。京華時報が伝えた。
乳製品業はニュージーランド最大の輸出産業であり、その輸出額は同国の輸出額全体の28%を占める。また、輸出はニュージーランドのGDPの3分の1を占める。フォンテラはニュージーランド最大の乳製品メーカーであり、その売上高は世界の乳製品メーカーの3分の1を占める。
このほど、フォンテラが生産した乳清タンパク濃縮物の一部にボツリヌス菌汚染の疑いが生じ、関連製品が粉ミルクやスポーツ飲料の原料として使用されたことが明らかになった。これを受け、中国、サウジアラビア、タイ、スリランカなどの乳製品メーカーは、複数ブランドの乳幼児用粉ミルク数ロットを回収することを発表した。タイ、オーストラリアは乳製品の安全に対する追跡検査を行った。
キー首相は、「フォンテラは民間企業であり、ニュージーランドの酪農場主が大部分を所有している。一国の指導者が一民間企業を代表して謝罪を表明するのは珍しいことだ。しかし、同企業はニュージーランド経済にとって重要な一部分であり、フォンテラの名誉は、ニュージーランド全体の信頼と切り離せない。信頼は中国文化において非常に重要なものだ。ゆえに私は中国を訪れて謝罪する必要がある」との見方を示した。
キー首相の報道官は11日、ニュージーランドのマレー・マッカリー外相が1週間以内に中国を訪問し、その後数週間から数カ月以内にティム・グローサー貿易相も訪中する予定だと明らかにした。
キー首相は訪中の日程について、「中国の消費者からの質問に全て答えられるよう、政府による関連の調査が終了後に日程を決定するので、すぐには訪中できない」としている。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年8月14日