未成年者のネット利用率、96.8%に 中国
中国少年先鋒隊事業発展センターはこのほど、「第6回中国未成年者インターネット利用状況調査報告書」を発表した。北京晩報が伝えた。
同報告書によると、北京、杭州、上海、武漢、成都など10都市の住民に対する調査の結果、未成年者のネット利用に関し、以下のようなケースが見られた。
○武漢に住む女児(4):PC画面の前に一日中坐り込み、医師から「ネット依存症」と診断を受けた。現在、医師の指導のもと、「ネット断ち」に取り組んでいる。
○2歳半の男児:最近、眼を細めてテレビを見るようになった。親が病院に連れて行って検査を受けたところ、男児は400度の近視(視力0.1?0.2)と診断された。この子は、1歳になる前からiPadをいじり始め、両親は子供が泣いて騒ぐたびにiPadを与えて遊ばせていたという。
○深センの男児(2):母親の鄧さんと夫は、仕事が忙しいため、ベビーシッターに子供の面倒を見てもらうことにした。ベビーシッターは、泣きわめく子供にiPadを与えると、たちまち泣きやみ静かに遊び出すことに気づき、iPadはベビーシッターにとっての「切り札」となった。その後、男児の口数がだんだん少なくなった。病院で検査を受けたところ、ゲームの遊びすぎで自閉症の傾向が出ていることが明らかになった。
このほか、オンラインゲーム「CS(カウンターストライク)」で遊ぶ4歳児や「ウォークラフト(魔獣争覇)」で遊ぶ5歳児などの例も報告された。
PC、iPhone、iPadなど各種電子製品のタッチパネルが普及するにつれて、幼児がコンピュータに最初に触れる時期がかなり早まった。「携帯大好き」「PC大好き」「iPad大好き」の幼児は膨大な数にのぼり、親指を素早く動かして機器を操作しながら成長する。今や、幼稚園に通う子供のほぼ全員が、インスタントメッセンジャーソフトQQの利用登録番号を持っており、園から帰宅すると、友達とネットでおしゃべりする。子供が小学校に上がると、担任と保護者のやりとりも、ほとんどQQで行われる。
これら「タッチパネル世代」は、バーチャルの世界に浸り切り、新世代「カプセル人間」となり、自然や動物に対する興味を失いつつある。「都市における子供と自然との接触度に関する調査研究報告」によると、「注意力に欠け、集中できない」「感情コントロール力と環境適応能力に乏しい」「自然に対する好奇心に欠ける」など、人間が本来持って生まれてきた能力に欠ける子供が全体の12.4%を占めた。中国の子供のうち、屋外活動に費やす時間が週当たり「10時間以上」はわずか4.8%、「7時間から10時間」は9.3%、「3時間から7時間」は37.4%、「3時間未満」は48.5%だった。自然と触れ合う機会がなく、独り遊びを工夫する時間がなく、遊び友達もおらず、両親と一緒に過ごす時間も少ない現代の子供達が、「電子製品」を選択しないならば、一体何を選ぶのだろうか?
あるネットユーザーは、「数年後、ゴム飛び、お絵かき、とびのひよこ捕り(ケイドロのようなもの)などの遊びをする子供は、まだいるだろうか?全てなくなってしまわないだろうか?」と嘆きの声を投稿した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年7月31日