「中国一人っ子への重圧、ますます大きく」シンガポール紙
英市場調査会社ミンテルが発表した中国の一人っ子に関する調査報告によると、中国中産階級家庭の子供が両親から寄せられる期待は高まる一方という。自分の子供に望む最終学歴として、「修士・博士(大学院卒)」と答えた親は4分の3を占め、「学士(大学学部卒)」はわずか32%だった。環球時報が13日付シンガポール紙英字紙「Today(電子版)」記事(原題:学業でさらなる重圧を受ける中国『小皇帝(一人っ子)』)を引用して伝えた。
親が子供に高学歴を期待する背景には、大卒生が厳しい就職情勢に直面している中国社会の現状がある。政府の統計データによると、中国における昨年の大卒生数は600万人を上回ったが、うち約57万人が、卒業後半年経っても就職できない状況だった。人気が集まる公務員職のほとんどが、「学歴は修士卒以上」という条件がついている。
中国中産階級の子供の多くは、一流の教育を受けるチャンスがある。調査によると、都市部に住む中産階級の子供の3分の2は、競争の激しい「重点校」に通っていた。欧米諸国の同年齢の子供と比べ、進学面で彼らの受ける重圧はかなり大きい。ミンテル中国市場チーフ・ストラテジストを務めるポール・フレンチ氏は、「有名大学は、定員枠が限られており、入学を希望する子供は、難関受験を突破しなければならない。そのため、子供達は多大な圧力に直面する。学業成績が良ければ、明るい未来が開けるが、全員が全員、難関をクリアできる訳ではない」と語った。
また、中産階級の親は、「文化大革命」期に大きくなった人が多い。当時、国内の大学は閉鎖され、学生募集は行われなかった。大学に行きたくても行けなかった親が、自分の子供に高等教育への夢を託するのは、無理もないことだ。フレンチ氏は「親は、子供に何としても高等教育を受けさせたいのだ」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年12月14日