急激な自動車社会、運転マナー熟成が課題 中国 (2)
中国の自動車保有量は、2012年10月の時点で2億3800万台に達した。車は爆発的に増加し、道路の渋滞は日を追うごとに深刻になっている。ドライバーは、このような時こそ、「車マナー」で足りない部分を補うべきであり、もともと良い状態ではない道路状況をさらに悪くすることはない。関連部門も、この新しい問題の解決に真剣に取り組み、時代の歩調に遅れることのないよう、制度面での整備を進める必要がある。
あるネットユーザーがネット上にアップした「ドイツで1千台以上の車が救急車に道を譲っている様子」を写した画像に、深い感動を覚えるが、その背後にある「ドイツの交通ルール」を中国人は知らない。ドイツでは、サイレンを鳴らして走行する救急車と出会った時、車道の左側を走る車は左に寄り、右側の車は右側に寄らなければならない。もし道を譲らなかった場合、軽くて罰金刑、重ければ自由刑がドライバーに科される。実のところ、中国「道路交通安全法」にも、「サイレンを鳴らして走行している消防車・救急車に出会った場合は、道を譲らなければならない」というドイツに似た規定がある。だが、一体どのような具体的方法で道を譲れば良いのか?規定に違反した場合はどうなるのか?これらについて知る人はほぼ皆無だ。さらに驚くべきことに、数日前、「蘭州で120番救急車の運転手が、規則に反し、救急車でガールフレンドとコンサートを見に行った」という信じられないニュースが報じられた。
人々の感覚が麻痺しているのは、「心が冷たさ」が原因とは一概には言えない。知識や信頼の不足が原因の場合もある。
数日前、北京の地下鉄で、プラットホームにいた男性が突然気を失い線路に落ち、運悪く列車がホームに入ってきた。危機一髪という時、プラットホームにいた数百人の乗客が一斉に大声で「止まれ!」と叫び、自分の身の危険を顧みず手を大きく振って列車を止めようとした人もいた。列車は急停止し、男性は助かった。「急激な自動車社会」が訪れた今、ドライバーが持つ「愛」の心を車外に伝える方法と中国社会の自動車文化を養い育む方法について、国全体でじっくりと考えることは、非常に大きな価値がある。
欧米では数世代の間を要した自転車王国から今の自動車社会への転換。中国人は、わずか1世代の間でその夢を実現した。車を所有し、運転する国民を増やすこと、これは発展だ。一方、交通ルールを守るドライバーを増やすことは文明である。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年12月14日