仏首相が訪中「メイド・イン・フランス」売り込み、故宮見学
フランスメディアはエロー仏首相の今回の訪中について、両国関係および原子力協力が首脳会談の中心議題になると報じた。エロー現首相の率いる訪中団にはラファラン元首相も参加しており、両氏の任務は中仏貿易の「アップグレード版」を築くことだ。環球時報が伝えた。
AFP通信の5日付報道によると、エロー首相の訪中には国会議員、実業家、閣僚5人など100人前後の訪中団が同行。この大規模な商工業界訪中団にはエールフランス、プジョー・シトロエンといった企業が参加し、原子力発電、新エネルギー、農業、高級品などをカバー。ラファラン元首相、フランス電力社長といった要人が数多く参加している。陣容を見ると、キャメロン英首相に同行した訪中団と比べても少しも見劣りしない。エロー首相は6日に中国指導者と会談。その後、武漢、台山を訪問する。
5日昼ごろ、北京に到着したばかりのエロー首相は第19回中仏経済シンポジウム閉幕昼食会で演説。「私は飛行機を降りる時に得た知らせに驚喜した。中仏経済・貿易協力の良き未来を告げるものだ」。エロー首相がこれほど喜んだのは、同日中国東風汽車が、仏ルノーと総投資額77億元余りで合弁会社を設立し、SUVとエンジンを生産することについて、中国発展改革委員会から正式な認可を得たことを発表したためだ。両社は合弁会社の株式をそれぞれ50%保有し、2016年から生産を始める。AFP通信は「中国自動車市場は急激に成長しているが、ルノーはまだ中国で生産をしていない世界でも数少ないメーカーだった。東風とシトロエンの成功をルノーは長い間羨み、中国での大々的な事業展開を以前から望んでいた」と報じた。
仏紙Les Echosは5日付で「エロー首相は同日北京に到着すると故宮なども見学して文化的好奇心を満たしたが、今回の訪問のより大きな使命は『メイド・イン・フランス』の売り込みだ」と報じた。エロー首相は武漢では交通運輸システムやクリーンエネルギー技術を含む「持続可能な都市技術」を売り込む。広東省台山ではフランスの技術を採用して建設中のEPR原子炉2基を見学する。来年は中仏民生用原子力発電協力パートナーシップ締結30周年にあたり、中仏は同プロジェクトの3期、4期工事での協力について話し合っている。AFP通信によると、フランスは加工肉や乳製品の対中輸出の増加も希望している。