注目される裁判の微博中継
最近、社会的関心の高い多くの大事件の裁判が微博(ウェイボー・ミニブログ)で生中継されている。法廷外にいても審理の詳細を速やかに知ることができるため、幅広く注目されている。裁判の微博生中継は市民の知る権利を満たすものであり、司法公開の取り組みを強化するうえでの必然的な要請である。この改革はすがすがしい風を吹き込んでいるが、関連制度の整備、司法公開の推進には調整を要する問題がまだあると関係者は指摘する。
山東省済南市中級人民法院(地裁)は薄煕来事件の8月の初公判でも詳しいネット中継を行った。国民の関心が高いこうした大事件だけでなく、一見取るに足らぬ小事件も生中継によって神秘のベールがはがされている。過去2年間に少なくとも全国17省(直轄市、自治区)で裁判の生中継が行われており、ネットを通じた裁判情報の公開が普通のことになってきている。
王書金強姦殺人事件の公判が6月と7月に河北省邯鄲市中級人民法院で行われた。王書金被告の供述した事件が、すでに石家荘警察当局によって解決された聶樹斌事件と非常によく似ていたため、「1つの事件に犯人が2人」として、司法の公正性を疑問視する声が世論から上がった。
河北省高級人民法院(高裁)はこの疑問の声を回避せず、微博の公式アカウントを通じて裁判を生中継して、各側の見解を十分に伝えた。裁判を傍聴したある弁護士は「今回の裁判生中継は情報公開の程度が高く、裁判所のポイントを少なからず高めた。一部のメディアやネット上の『オピニオン・リーダー』がマイナスの見解を表明したものの、各側の見解を生中継したことで、世論にあった一方的な『冤罪』の見方に明らかな変化が生じ、理性的、客観的な声が高まった」と指摘した。
裁判の生中継に喝采を送る声は多いが、生中継に対して依然様子見の地方裁判所もある。7月の唐慧事件の裁判生中継で、湖南省高等法院が微博で紹介したのは主に法廷外の状況であり、裁判の状況に関する投稿は2つしかなかった。開廷時間と結審の発表だ。このため報道陣やネットユーザーの突っ込みの対象となった。
関係者によると、裁判の生中継は司法機関の独立審判権、当事者の合法的権益の保護に関わると同時に、市民の知る権利および司法機関に対する監督権にも関わる。このため制度設計の面で、司法公開の原則を踏まえて、生中継の範囲、審査手続き、技術規範を明確化して、公開された、節度と秩序ある状態で行う必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年9月23日