「中国初の空母任務艦隊編成」の噂を専門家が否定
このほどあるメディアが、ネット上に流れている写真をもとに、中国海軍北海艦隊駆逐艦第一支隊の駆逐艦と護衛艦が全て空母「遼寧」の母港に停泊していると主張。遼寧が間もなく駆逐艦第一支隊と中国初の空母任務艦隊を組み、初の遠洋航行任務を遂行する兆しだと指摘した。だが記者は5日、ネット上のいわゆる「北海艦隊駆逐艦第一支隊の全艦艇が空母の母港に進駐」と空母の遠洋航行準備とは実は無関係であることを確認した。海軍装備技術部長を務めた鄭明少将は5日の取材に「将来的に中国の空母戦闘群を構成する艦艇の種類は比較的固定されるが、具体的にどの艦艇で構成されるかは実際の状況に基づき柔軟に決定される」と指摘した。環球時報が伝えた。
ネット上に流れている写真は、遼寧の母港内に最近艦艇多数が停泊していることを示している。写真からは054A型ミサイル護衛艦2隻、051C型ミサイル駆逐艦2隻、および新型支援船が確認される。中国の空母戦闘群について以前外部は、対空機能を担う051C型ミサイル駆逐艦、対潜機能を担う054A型ミサイル護衛艦、攻撃型原子力潜水艦、大型補給艦で構成されると一致して推測していた。あるメディアは、北海艦隊駆逐艦第一支隊は052型駆逐艦2隻、051C型駆逐艦2隻、054A型護衛艦4隻、053H2型護衛艦1隻を含み、遼寧艦と間もなく中国初の空母任務艦隊を組み、初の遠洋航行任務を遂行すると主張。さらに支隊全体が遼寧と共に出航した場合、護衛艦の配備において米国の空母攻撃大隊を上回ると指摘した。
だが記者が確認したところ、ネット上の「北海艦隊駆逐艦第一支隊の艦艇が空母の母港に進駐」との情報と間もなく行われる遠洋航行との間に関係はなかった。
鄭少将は取材に「将来中国の空母艦隊は北海艦隊を含む各大艦隊の中から必要な艦艇を選択するだろうが、駆逐艦第一支隊全部を組み込むことはあり得ないし、その必要もない」と指摘。「空母艦隊の艦艇の種類は必要に応じて適切に調整されるが、全体としては比較的固定される。米海軍を例に取ると、米海軍の公式サイトによると前線配備の『ワシントン』空母戦闘群は規模が大きく、水上艦だけでミサイル巡洋艦2隻、ミサイル駆逐艦4隻、護衛艦1隻、高速補給艦1隻がある。だが実際の配備と演習参加時には、往々にしてミサイル巡洋艦1隻、ミサイル駆逐艦1-2隻、補給艦1隻からなる比較的小規模の『空母打撃大隊』を編成する」と説明した。
鄭少将はまた「米国の空母戦闘群の艦艇は不変ではなく、各艦の戦備状況と任務上の必要に基づき柔軟に選択される。これは空母戦闘群の適応能力の向上にも有利だ。同様の理屈で、中国の空母艦隊の護衛艦艇も固定された数隻の軍艦で構成される必要はない」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年5月6日