中国新指導者の個性と風格 (2)
■行動スタイル:落ち着き、自信、柔軟、率直、誠実
習主席の今回の米州訪問、特に「ノーネクタイ」の習・オバマ農園会談は、現代中国外交史上の先駆的試みといえる。今回の会談では具体的問題の話し合いにより多くの時間を費やせるよう、両首脳は様々な儀式を省き、長い時間を共に過ごした。こうした型破りの非公式会談は、最高指導者同士が個人的関係と私的友情を築き、誤解や誤った判断を減らす助けとなる。
第18回党大会で打ち出された中国外交の1つの重要な新しい課題は「新型の大国間関係の確立」だ。この新たな課題は中国外交の新構造の要であり、中華民族の偉大な復興という「中国の夢」の一部でもある。伝統的な大国モデルを打破し、前例のない今後の模範となる新型の大国間関係の道を歩み出すことがその目的だ。
中国人民大学国際関係学院の任剣濤教授は「習主席は対外関係において自らの個性を示すことを望む指導者だ。大国外交では首脳の風采、振る舞い、見方は大国の国際的イメージを示し、大国の人と文化を表現し、大国の国際的責任を示す重要な契機だ。今回の『農園外交』で、習主席は機会をつかんだと言える。習主席は大国関係の理解と処理において、未曾有の知恵と落ち着きを示した」と指摘した。
李総理の初外遊は大国の新指導者の自信、敏捷性、ユーモアを余すところなく示した。地元主流メディアに寄稿し、中国指導者の国際観を明らかにしたことは1つの顕著な特徴だ。この行動は中国のパブリック・ディプロマシーの新たな試みと見なされ、李総理の形式にこだわらない実務的スタイルをはっきりと示した。ドイツ訪問時にメルケル首相と二人きりで庭を散歩したことも、両首相間の個人的関係を深めるうえで重要な効果があった。