「政治問題は棚上げ、経済を先行」東証社長が中日関係語る (2)
■人民元の国際化は明確、着実、緩やかに
-----すでに多くの日本企業がアジアの他地域でうまく投資を行っているが、日本企業が直面した最大の問題や挑戦は何か?
大部分の投資家からすれば、融資には何の問題も存在しない。もし投資に適していると評価すれば、日本の実業家と金融機関は投資することを希望する。多くの日本企業は多くのインド株やブラジル株を購入している。
アジアへの投資の最大の問題は、財産権にある。アジア各国の政府は、投資の財産権に関する問題を明らかにする必要がある。アジア各国の市場に資金を投入する場合、日本企業は投資家として本来一部の財産権を有するが、最大のリスクは、各国の政府が政策を随時変更する可能性があり、将来この財産権が回収されるかもしれないという点だ。もしこれらアジア各国が非常に明晰かつ透明性の高い規則を制定すれば、さらに多くの資本が流入するはずだ。
-----現在、中国は人民元の国際化に向け努力しているが、日本も過去に同様の経験がある。何かアドバイスはあるか?
個人的には人民元が緩やかに上昇していることはいいことだと思う。もちろん製造業の競争力を下げるという一面もあるが、中国人の購買力も高まる。しかし、短期間に人民元が突然急上昇すれば経済発展を妨げることになる。過去10年間で、日本も同様の教訓を得た。
中国政府にアドバイスをするとしたら、人民元の世界市場での自由兌換に向け為替改革を明確かつ着実、緩やかに行うこと。現時点では、中国の国家為替管理局は中国資本の流入と流出を規制しているが、これも今後徐々に緩和させていかなければいけないだろう。こうして初めて人民元の真の価値や国際市場での真の信頼性が反映される。改革を明確に推進するということは、中国の中央銀行が全世界に向けて中国の為替改革の具体的なスケジュールを明確に示し、いつ規制緩和を行うのかを表明することを意味している。当然、いずれの国でもこのような改革を推進する際には激しい論争と抵抗に直面することになる。現在、中国は高度成長期にあるが、もし資本プロジェクトを開放せずに為替改革を行っても、実際の成長を反映することはできない。真に規制を緩和した後の成長こそが、真の競争力を体現する。そのとき、中国の経済成長は恐らくもう7-8%ではなく、3-4%になっているだろうが、それこそが中国経済の真の実力を示している。(編集MZ)
「人民網日本語版」2012年1月5日