「視聴覚障害者向け音声図書スタジオ」が北京に設立 日本が援助
日本政府の資金援助で設立された「中日友好音声作品スタジオ」の除幕式が先月28日、北京の非営利団体(NPO)「北京紅丹丹教育文化交流センター」で行われた。同スタジオは視覚障害者向け音声図書の製作に用いられる。中国国営の通信社「中国新聞社」が伝えた。
同スタジオでは今後3年間で150冊の音声図書を製作し、将来千冊を超える音声図書を所蔵する見込み。これにより北京在住の10万人近い視覚障害者により多くの音声図書を届けることができる。
同センターの責任者、鄭曉潔氏は「日本政府による資金援助67万元(約883万円)でもともとあった『心目図書館』に改良を加えスタジオを建設した。これによりボランティアが視覚障害者向け音声図書を製作する効率が上がる」と語った。除幕式に出席した在中国日本大使館の岩本桂一参事官は「官民協力して中国の障害者事業を支援していきたい」と述べた。
日本政府がこのほど資金援助した「中日友好音声作品スタジオ」は、草の根・人間の安全保障無償資金協力プロジェクトによる。在中国日本大使館の公式サイトによると、経済社会開発を目的とし、草の根レベルに直接裨益するよう現地における具体的かつ比較的小規模なプロジェクトに対して無償資金協力を行うプロジェクトで、1990年から始まった。中国でこれまでに実施したプロジェクトは1220件、援助額は計約7億元(約92億2600万円)に上り、教育、医療、環境など幅広い分野に及んでいる。
除幕式に参加した中国の障害者発展部の丁啓文氏は「スタジオから日本政府の支援と民間の努力が見て取れる。これは「障害者と健常者が共に歩む」という理念の理想的な実行であり、影響力は拡大するだろう」と述べた。
岩本氏も「このプロジェクトでより多くの視覚障害者が利便を得ると同時に、両国の友好事業も継続的に発展していければ」と期待を寄せた。(編集MZ)
「人民網日本語版」2012年12月4日