毛丹青氏独占取材(1)莫言氏と大江健三郎氏の交流をプロデュース
10月にノーベル文学賞の受賞が決まった中国の作家・莫言(ばくげん)氏と親しい中国人バイリンガル作家、毛丹青・神戸国際大学教授(50)は最近、莫氏の日本における交流活動の構想を練っている。莫氏のノーベル賞受賞は、まるで特急列車のように、莫氏や中国文学という夢を載せ走り出した。中国文学がこれから国際舞台で活 躍するという希望を多くの人が抱いている。1987年に生活を変えようと決意して単身日本へ留学した毛教授もまた、異国の地で、言語や文化の壁を越え、莫氏の作品や中国文学を世界に向けて発信している。「人民網」が報じた。
毛教授は才能に満ち、能弁で、かつ腰の低さを忘れない。25歳の時に日本に留学し、94年に学業を捨て、商業に従事した。しかし99年、文学を愛する毛教授は商社の仕事をすべてやめ、日本語による創作活動に没頭するようになった。一方で、中国文学が世界でまだ知られていないことに気を揉み、それを世界に発信するために自分にできることをしたいと考えるようになり、これも創作活動や交流を展開する原動力となった。ただ、これは「使命感」ではなく、「こつこつと行う草の根活動にしたい」というのが毛教授本人の願いだった。
毛教授は文化的気質に満ちているが、商談にたけたビジネスマンのようなコミュニケーション能力も備えている。毛教授は自らのことを莫氏の「ヘルパー」とし、十数年にわたり莫氏が日本でさまざまな交流を展開できるようサポートしてきた。そして、小説家・大江健三郎氏や吉田富夫・佛教大学名誉教授らとの交流の道を開き、新たな交流活動も現在計画中だという。
毛教授はさらに2011年1月より、日本の文化やライフスタイルなどを紹介する中国の日本専門雑誌「知日」の主筆を務めている。同誌の出版は中国の若手編集者が日本に特化した雑誌の出版を毛氏に持ち掛けたことで実現した。同誌の内容は空論ではなく、日本の実情を詳しく述べている。毛教授は、中国人に日本を知ってもらうためには、多くの人がまず日本に出向き日本を理解することが必要と考えている。毛教授がこれまで行ってきたことがまさにそれで、日本という現場から「思想」ではなく「素材」を提供してきた。これらの「素材」は思想の基になるというわけだ。