誇張や偏見を避けるため、この人物はドキュメンタリー映画を制作した。このために、殺害予告の警告状を受け取ったこともある。中国の「孔孟」思想に傾倒しており、何事に対しても、過激な方法を取らなくても、解決方法がきっと見つかると信じている。祖国ドイツが第二次世界戦争で犯した戦争犯罪に対する懺悔の気持ちから、日本が中国に謝罪しないことに対して憤まんやるかたなく思っている。欧米側から「金銭を利用した宣伝だ」と言われたくないため、50万ドル(約5100万円)の資金を自ら調達し、ドキュメンタリー映画「釣魚島(日本名:尖閣諸島)の真相」を自主制作した。新華網が報じた。
この人物とは、映画監督になって50年以上のクリス・D・ネーベ監督(76)だ。ネーべ監督は、「私は中立的な立場にある観察者にすぎない。ただ、事実を集めることだけをやってきた」と話した。
同監督の「釣魚島の真相」が24日から中国で公開される。この40分間のドキュメンタリー映画は、詳しい歴史資料に基づき、釣魚島紛争の歴史を全面的に検証し、「釣魚島は古来中国に属している」という事実を詳述し、日本に対し、「真実に向きあい、真剣に歴史を反省するように」と促している。
北京で新華社の取材を受けたネーベ監督は、「映画では、釣魚島に関する全てが、明白に描かれている。映画を観た人は、私が順序立てて語り、表したもの全てを見ることができる。欧米メディアは、中国について、誇張した、あるいは偏見に満ちた報道を行うことに慣れてしまっている。釣魚島の事実についても、湾曲した報道を行っている。このドキュメンタリー映画が、そのような誤った状況を変える役目を果たし、人々が釣魚島の真相を正しく理解する助けとなってくれるよう望んでいる」と述べた。
中国での公開に先立ち、同映画の試写会が今月11日、米ロサンゼルスで行われ、極めて強烈な反響を引き起こした。「人々は、全く別の角度から真相を理解し始めたようだ」とネーベ監督。
注目すべきは、「釣魚島の真相」では、南京大虐殺や731部隊による細菌兵器開発を目的とした中国人を使った人体実験など、日本が中国侵略戦争で犯した戦争犯罪についても取り上げられていることだ。それと同時に、ナレーションによって、日本政府が歴史を正視し、自らが犯した戦争犯罪について中国国民に謝罪し、釣魚島が中国の領土であることを認めるよう主張している。