中国産アニメ映画、ハリウッドと大きな開き 鍵は「忍耐力」 (2)
■5月は中国のアニメ映画が続々公開
「ザ・クルーズ」に引き続き、5月にはいくつかの中国アニメ映画が公開される。「潜艇総動員3:彩虹宝藏」(英語名:Happy Little Submarine 3―Rainbow)や「魁抜2」はすでにシリーズ化されており、市場でもある程度の成績を挙げている。さまざまな問題点があるとしても、中国アニメ映画の発展からすると、良い影響を与えているといえる。「魁抜」は若者層をターゲットにして製作されたアニメで、児童向けにしか作られていなかった国産アニメの状況を覆した。台本を担当した寧財神氏は同映画のことを「国産アニメの誇り」と評価している。
■「ザ・クルーズ」のレイティング「ハートウォーミングな娯楽映画」
「ハートウォーミングな娯楽映画」(補導級)とは、暴力や卑語のシーンがごくわずかで、若干のヌードや性を暗示させる表現を含むが、恐怖や暴力表現はあまり出てこないものをいう。子供の観賞については、保護者の同伴が望ましいとされ、子供には不適切と思われるシーンが登場する可能性がある。
映画「ザ・クルーズ」では、クルーズ一家が野獣と戦うシーンや、一部殴ったり、何かを壊したり、自然災害のシーンを除けば、児童に不適切と思われるシーンはない。
■一般的に「幼稚」と評価される中国アニメ映画
映画市場の急速な発展に伴い、テレビアニメの映画化はすでにごく一般的なことになっている。2010年に設立されたアニメ専門の映画会社●通先生影業有限公司が推進するプロジェクト「2013年アニメ歓楽季」は、このほど中国中央テレビ(CCTV)の児童チャンネルで放送されている「熊出没」のアニメ映画版やアニメ映画「火焔山歴険記」(Adventure at Flaming Moutains)を近々公開することを明らかにした。これらのアニメ映画は、子供たちに喜びや前向きな気持ちを与えるため、20日に大地震が発生した四川省雅安市蘆山県の被災地でチャリティー上映を行う予定だという。同時に、テレビアニメ「開心宝貝」の映画版「開心超人」は6月28日に公開されることが決まった。「喜羊羊(シーヤンヤン)と灰太狼(ホイタイラン)」の生み親と言われるアニメディレクターの黄偉明(ウォン・ウェイミン)氏は25日、取材に対し、「中国のアニメ産業は浮ついている」と率直に語っている。
黄氏によると、中国でアニメ映画を作る際に一番気に掛けることは子供が好きかどうかであり、そのため隣にいる大人は映画館で居眠りをしているとして、「自分のアニメ映画に『幼稚』というレッテルを張られたくはない。中国の国産アニメは一般的に『幼稚』とされるが、それは制作者が脚本作りに時間を割かないからだ。もし本気で脚本作りに取り組めば、大人も子供楽しめるアニメ映画を制作できるはずだ」と語っている。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年4月28日