【第123回】退職日と賞与をめぐる争議
事例:
2010年12月、会社甲の本社と王氏は、王氏を甲の某地区プロジェクト企業の総経理とする「労働契約書」を締結した。2012年5月、会社は王氏を別のプロジェクトの担当に調整することを決定し、王氏はこれを不満として、5月25日に会社内部のRTXを通じて通信プラットホームにて人事部責任者に退職願を提出し、かつ会社に60万元あまりの賞与と関連補償費用を支払うよう要求した。この日から王氏は有給休暇を理由に出勤しなかった。双方が締結した「労働契約」には、契約を解除する場合、契約解除日を境として当該期日の前に甲が王氏にすでに支払った賞与は王の所有に属し、甲には返還要求の権利がなく、当該期日(を含む)の後に甲が出すいかなる賞与も王氏とは関係なく、王氏に要求の権利はない、とする約定があった。2011年末、甲は計算後内部のOAシステムを利用して、2011年度の王氏のプロジェクト賞与として100万元とし、このうち40万元はすでに春節前に支払い、残りの60万元はプロジェクトの運営終了(2012年6月に終了)後に支払うことを決定していた。
本事例における労働契約解除と賞与の支払いに関連する問題点は以下のとおりである。
1.労働契約の解除可否は?解除日をいかに確定するか?
(1)協議一致にて解除する場合、協議一致の日を基準とする。
(2)「労働契約法」39条をもって解除する場合、これが起きた日とする。
(3)「労働契約法」40条をもって解除する場合、これが起きた日から30日または当日とする(一ヶ月分を通知金として支払う)。
(4)労働者が辞職願を出す場合、会社の同意が必要。辞職通知は30日後を解除日とする。
2.企業内部のOA、RTXシステムを通じて受領発送した文書の法律効果
会社内部のシステムを通じた文書の受領発送は、労働者側に受け取ったという証拠がある限り一般的には問題ない。当然、従業員の手引きまたは労働契約などに約定があればそれが一番である。
3.会社が労働契約の解除を決定する場合の注意点
会社が労働契約の解除を決定する場合、書面通知の形式にて退職願に同意しなければならず、事態を長引かせないためには、給与清算、未消化の有給手当てなどの一連の財務問題をただちに清算して解除することが必要である。
4.60万元の賞与の支払いについて