上司がデジタルヒューマンだとしたら? AIの活用が進む中国企業
福建省福州市長楽区にある網竜網絡公司(以下、「網竜」)の長楽拠点に足を踏み入れると、SF感満載のオフィスビルを目にすることができる。そこには、メリーゴーランドやブロックで作られたウォール、宇宙船のようなスリープカプセルといったユニークな設備があちらこちらに設置されているものの、仕事中のスタッフの姿はほとんど見られない。
網竜の劉詩詩ブランド総監は、「当社は仕事のペースに柔軟性を持たせており、ほとんどのスタッフが出社せずに、当社が自主研究開発した協同勤務ツールを通して『メタバースオフィス』で勤務している」と説明する。
また、「網竜」のスタッフは、デジタルヒューマンと協力して作業するスキルを身に付けなければならないという。
劉ブランド総監は、「私の上司の一人もデジタルヒューマンの唐鈺。彼女は当社の輪番CEO(最高経営責任者)。私のしている日常業務は全て彼女に報告する義務がある。報告すると、ワークフローのプロセスごとにアドバイスをしてくれるほか、私が業務のレベルを上げることができるよう、提案をしてサポートしてくれる」と語る。
唐鈺をはじめとするAI社員たちは、領収書などの書類を年間延べ30万件以上審査し、各種業務の注意喚起やアラートを50万回以上発信し、延べ4万人以上のスタッフに知識やスキル関連のトレーニングを施した。今年4月、「2024年中国バーチャルデジタルヒューマン産業フォーラム・発展白書発表会」で、唐鈺は「2024年中国ベストバーチャルスタッフ賞」を受賞した。これは、バーチャルヒューマン応用の業界発展動向を一つの側面から反映していると言える。
劉ブランド総監によると、「1999年初めに創業してから25年の発展を経て、当社は教育やゲーム、IP、文化観光といった分野で、多くの事業を発展させている。教育という分野を例にすると、人工知能(AI)やバーチャル・リアリティ(VR)、拡張現実(AR)といった技術を教育関連の商品と融合させ、約190ヶ国・地域の1億5000万ユーザー、200万教室以上がそれを活用している」という。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年7月9日
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