張軍国連大使「ガザ停戦への反対は殺戮継続へのゴーサインに等しい」

人民網日本語版 2024年02月22日13:17

国連安保理で20日、アルジェリアがアラブ諸国を代表して提出したガザ地区における人道的停戦の即時実現を求める決議案の採決が行われたが、米国が単独で拒否権を行使したため、採択に至らなかった。新華社が伝えた。

中国の張軍国連大使は決議案に賛成したうえで、中国の立場を詳しく説明した。張大使は、米国の拒否権行使に強い失望と不満を表明し、「アルジェリアがアラブ諸国を代表して提出した決議案は、ガザ地区における即時停戦、全ての被拘束者の即時解放、人道支援物資搬入の保障、パレスチナ民間人の強制的移動への反対を求めるものだ。これは事態上差し迫って必要な事であるのみならず、人道上最低限の要求でもあり、安保理の全構成国の支持を得てしかるべきものだ。採決の結果は、ガザ停戦の問題において、安保理に圧倒的なコンセンサスが存在しないのではなく、米国が拒否権行使によって安保理のコンセンサス形成を妨害したのだということを明確に示している。米国の拒否権は誤ったメッセージを発し、ガザ情勢をさらに危険な状況へと押しやった」と述べた。

また「米国は安保理決議が進行中の外交努力への妨げになると主張したが、この主張は全く成立しない。現在の状況下で、即時停戦を依然として消極的に回避することは、殺戮継続にゴーサインを出すに等しい。現在、紛争の波及によって中東地域全体が動揺した不安定な状況になり、より広範囲の戦争のリスクが高まっている。安保理は早急に行動を起こし、この中東の惨禍を阻止しなければならない。ガザ紛争における国際法と国際人道法への重大な違反行為に対して、安保理は力強い対応をとり、国際社会の法の支配の権威を維持しなければならない。安保理は停戦実現を後押しするために行動を起こさなければならない。これは安保理にとってしかるべき道徳的義務であり、負わなければならない法的責任であり、さらには国連憲章の履行における政治的要請だ」とした。

20日の採決では、中国を含む13ヶ国が賛成し、英国が棄権した。国際社会ではガザ地区における即時停戦を求める圧倒的な声が上がっているが、停戦を求める国連決議案は米国によって繰り返し妨害されてきた。ガザ停戦問題において米国が拒否権を行使したのは、昨年10月にブラジルが提出した決議案、12月にアラブ首長国連邦が提出した決議案及びロシアが提出した修正案に続き4回目だ。(編集NA)

「人民網日本語版」2024年2月22日

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