10年にわたり中国語を勉強し続けている米国人女性
米国テキサス州北部に住むジュリエット·トーマスさん(62)は中国語を勉強するようになってもう10年になる。
ジュリエットさんの微信(WeChat)のアイコンは、「ものぐさ」を意味する「懶」という漢字が白地に青色の文字で書かれている。テキサス州ダラス近郊にあるカフェで取材に応じたジュリエットさんは、「漢字の『懶』をアイコンにしているのは、みんなに私がなまけずに、中国語を真面目に勉強しているか『監督』してもらうため」と笑顔で話した。テクノロジー出版関係の仕事をしているジュリエットさんは現在、オンラインレッスンで雲南省在住の中国人の先生から中国語を習っている。
ジュリエットさんと中国の縁は彼女の幼少期にまで遡ることができる。
「祖母が中国に関する本を持っていて、いつも私を膝の上にのせ、そこに書かれている文字や絵を見せてくれた。そして祖母は常々、『中国はミステリアスな場所。大人になったら是非行くべきだ』と言っていた」とジュリエットさん。
そんなジュリエットさんは2009年、夫と共に北京で行われた会議に参加するため、中国に行った。その日はちょうど彼女の誕生日で、参加者から中国語で誕生日を祝福されたという。「とてもうれしかった。もしもあの時、幼い子供が二人いなかったら、多分中国にそのままとどまっていたと思う」と振り返るジュリエットさんの表情は、たくさんの人に誕生日を祝福してもらったあの日に戻ったような喜びに満ちていた。
米国に戻ると、ジュリエットさんは中国に注目するようになった。そして2012年には、夫と共に再び中国に旅行に行き、夫からクリスマスプレゼントとして、中国語のオンラインレッスン10回分を贈られたという。
こうしてジュリエットさんは中国語を習い始めた。今もオンラインで中国人の先生から学んでいるほか、中国語の学習アプリを使って独学もしている。さらに週に3時間、地元の大学で中国語のレッスンも受けているという。
「春に撒く一粒の粟は、秋には何万粒もの実になる」という言葉があるように、中国語を学び始めたことで、ジュリエットさんは次第に中国文化により深く引き込まれるようになっていった。
「中国人の友達を作るのも、中国文化に対する理解を深めるのも、中国料理を食べるのも、中国の映画やドラマを見るのも、中国の音楽を聴くのも好き。新型コロナ感染症発生前は中国の伝統楽器・古筝まで習い始めていた」とジュリエットさん。
中国の歴史の精髄に魅了されたジュリエットさんは、最愛の父親を亡くした時も、中国の伝統文化から慰めを得たとし、「父は私にとって、とても大切な人の一人だった。私の人生を導いてくれた人で、大好きだった。そんな父が亡くなった時、とても悲しく、『きちんと親孝行できたのだろうか。親孝行が足りなかったのでは?』という思いに駆られた。そんな時、中国の『五福』から慰めを得た」と話す。
中国文化において、「五福」とは寿命の長いこと、財力の豊かなこと、無病息災であること、徳を好むこと、天命を全うすることを指し、それが人生における五つの幸福であるとしている。ジュリエットさんは、「父は『五福』を享受し、恵まれた人生だったのだから、それを喜ぶべきだと思い、安らかな気持ちになった」という。
ソフトウェアエンジニアであるジュリエットさんの長男も、母親の影響で大学から中国語を勉強し始めたという。ジュリエットさんも、息子もHSK(漢語水平考試)3級に合格し、今は4級合格を目指して勉強しているという。
ジュリエットさんは、「中国語を勉強し始めたばかりの頃は、中国語と中国文化にしか興味がなく、自分の生活においてこんなに重要な位置を占めるようになるとは思ってもみなかった。10年間にわたって中国語を勉強して、この言語に精通することは永遠に無理かもしれないと感じるようになったけれど、あきらめることは決してない」と話す。
ジュリエットさんは現在、夫と共に6回目の中国旅行を計画しており、雲南省の中国語の先生に会いに行って、米国旅行に招待したいと考えている。「今新しい家を建てているところ。中国語の先生のための部屋も準備している。好きなだけそこを使ってもらいたい。張家界や蘇州、西安などにも行って、何ヶ月か過ごし、私にとってミステリアスな中国の夢を叶えたい」という。
そして、「私のように、中国と縁があると感じている米国人はたくさんいる。私たちは長く続いている両国の国民の友情をとても大切にしている。私たちは中国が大好き。両国の間にさまざまなコミュニケーションの橋を架けたい」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年1月30日
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