ユニークな傘を作る河南省の男性、メタリック傘にニコイチ傘、扇風機付き傘まで

人民網日本語版 2024年01月22日13:51

「傘」と言っても、いろんなアイデア商品があることを知っているだろうか?例えば、夜道の安全が心配な人にぴったりな車のライトを反射してくれるメタリック傘。

絶対雨で濡れたくない時は、傘から垂れたビニールが全身をすっぽり覆ってくれる全身傘。

1本の傘で相合傘はちょっと狭いと感じるなら、広々としたニコイチ傘。

これらユニークなアイデアの傘を作っているのは河南省の雷鵬琳さん(38)だ。若い時に雨傘工場で働いていた雷さんは、工場でほぼすべてのポストを経験したという。そして、どんな傘でも、それを手にするだけで、どうやって作られたか、値段はどれくらいかを目利きすることができるという。傘の輸出が最も盛んだった2014年、雷さんは熟慮を重ねた上で、浙江省紹興市で自分の工場を経営することを決心した。

雷鵬琳さんの工場。

雷鵬琳さんの工場。

開業当初、雷さんの工場は、1日当たり数千件の注文を受注し、出荷していたものの、同業者がどんどん増えて、同質化や競争がエスカレートし、売上が激減するようになった。そして、頭を抱えていた時に、雷さんは新たな商機を思いついたという。

「消費者は個性を追求している。例えば、傘は日光を遮断したり、雨に濡れないようにしたりするだけでなく、ファッションの一部でもある」と話す雷さんは、ユニークで、革新的な傘が人気になっていることに気づき、商品にちょっとした工夫を加えるようになった。そして、2022年に生産したライト付きの傘が大ヒット商品となった。

コメント欄を見ると、多くのネットユーザーが「ほしい」との声を寄せている。また、ユニークな提案もたくさん寄せられており、そのうちの一つに、雷さんは目を留め、「あるネットユーザーから、『夜道を歩く時、車にはねられるのが怖い。光を反射する傘を作ってくれないか』という声が寄せられていた。ユニークなコメントで、『いいね!』を押している人も多かったので、売れると思って、作ってみた」という。

光を反射するメタリック傘は発売すると瞬く間に7万本以上売れた。それから雷さんは、コメント欄を自社の「設計部門」と見なし、一方のネットユーザーも雷さんを「願いを叶えてくれる人」と見なして、コメント欄に自分がほしい傘のアイデアを寄せるようになった。

ネットユーザーから寄せられたコメントを基に、雷さんは、酷暑の日に使うと涼しい扇風機付きの傘も作った。

また、水に濡れると絵が浮かび上がる傘もある。

あるネットユーザーは、「雷さんは、売上を伸ばすことより、アイデアあふれる商品づくりに夢中になっている」との声を寄せている。

雷さんは、「毎日、数時間かけてコメント300-500件に目を通している。全てのコメントに自分で目を通して、自分で返信している。真面目に読まなければ、消費者がどんなものを必要としているかが分からない。購入後に問題があった場合もすぐに対応している」と話す。

ネットユーザーの要望を基に商品を作るのに、通常1週間ほどかかり、特殊な傘の場合、2-3ヶ月かかる場合もある。さらに複雑なものの場合は半年かかることもあるという。「これまで作ってきた傘はどれも売れており、赤字にはなっていない」と雷さん。

また、思いがけないことに、雷さんの傘を紹介する動画が海外でも話題になり、海外のネットユーザーが「中国のユニークなアイデア」に目を丸くし、「ほしい」とコメントを寄せるようになっている。

雷さんは、「これからもアイデア商品を作り続ける。また、漢服と合わせることができる中国テイストの傘も作りたい。いろんなことにチャレンジして、中国の文化も宣伝したい」としている。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年1月22日

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