深センでストリートピアノ演奏し話題になった作業員に「春晩」観覧招待状届く
2023年、建設作業員の易群林さんが深センの街中でストリートピアノを演奏する動画がネット上の話題をさらった。そんな易さんは最近、春晩(春節<旧正月、2024年は2月10日>を祝う中国の国民的年越し番組)を会場で観覧できる招待状を受け取った。
1月18日、記者はこの「サプライズ」を用意して深センの易さんを訪ねた。そして、易さんの宿舎に入ると、ピアノの鍵盤の上に招待状の入った封筒をこっそり置き、ピアノを演奏してほしいと言って、鍵盤蓋を開けてもらった。
ピアノの前に座った易さんは、鍵盤蓋を開けると、封筒を見つけたものの、そのままピアノの上に置くと、演奏を始めようとした。そのため、「封筒を開けてみてください」と促し、開けてもらった。易さんは封筒の中に春晩の招待状が入っているのを発見すると、嬉しさのあまり両手を震わせ、「ただの農民なのに、こんなに素晴らしいことが起きるなんて夢にも思わなかった」とした。
湖南省岳陽市出身の易さんは、息子と一緒に深センに出稼ぎに来ている。2023年の夏、易さんは深センの電気街・華強北近くで、ストリートピアノが置かれているのを見かけた。そして恥ずかしそうに「弾いてみたい」と言ったところ、前の演奏者がサッと立ち上がって譲ってくれた。息子にも勇気づけられた易さんは服で手を何度か拭って、手についていた汚れを落としてから、座り、それでもまだちょっと汚れていた手で演奏を始めたという。
その場で一気に十数曲を演奏したという易さんは、「あの時は聴いている人に笑われるのではないかと、ちょっと緊張していた」と振り返り、「でも、みんなが拍手してくれたので、緊張がほぐれた。認めてもらえたと感じ、帰り道もずっといい気分だった」と話す。
易さんは子供のころから音楽が好きで、いとこの家にはピアノがあったので、しょっちゅう遊びに行っていたという。そして、音楽の本や楽譜を見ながら、ピアノやハーモニカ、チューバ、トランペットなどの楽器を独学。専門的に習ったわけではないが、100曲以上を演奏できるようになった。
深センで出稼ぎをするようになって、もうすぐ20年という易さんは、この都市の日進月歩を目の当たりにしてきた。苦労も多い出稼ぎ生活ではあるものの、仕事を終えるとハーモニカや笛を吹き、人生における楽しみを持ち続けている。
易さんの「音楽の夢」や、好きなことをずっと続け、ポジティブに暮らす姿勢を目にしたネットユーザーからは、「レンガを運べるだけでなく、楽器も演奏できるなんて、まさに『隠れた達人』!」との声も寄せられている。易さんは、「僕はピアノが好きな建設作業員。みんなが自分の夢を追いかけ続けることを願っている!」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年1月24日
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