ヘルスケア+茶飲料の革新的な融合 消費の中心は若者
今年の夏、中医薬の薬局が烏梅を使った夏バテ防止ドリンクの「酸梅湯」を処方するショート動画に爆発的な人気が集まり、ヘルスケア飲料ブームが起こった。その後、医食同源の理念がますます多くの消費者に受け入れられるようになっている。ブームは秋・冬シーズンになっても続き、多くの都市で大通りや裏通りにヘルスケア茶飲料の店がオープンし、薬局や茶館で季節に合ったヘルシーな茶飲料を打ち出すところも少なくない。
北京の大手薬局を訪れると、入ってすぐの入り口のところに「ヘルスケア茶飲料(養生茶)」のラベルがいくつか張られた商品棚があるのが目に入る。ずらりと並んだ瓶や缶には菊花、茯苓(ぶくりょう)、黄芪(おうぎ)、芡実(オニバスの実)などの中医薬材が入っており、消費者は選んで組み合わせることができる。
ヘルスケア茶飲料の店は一部の中医薬メーカーの新たなコラボレーションの人気分野だ。今年5月21日には、陳李済の陳皮養生茶道館の北京第1号店がオープンした。また同仁堂傘下の知嘛健康、華北製薬傘下の甄飲子、広東一方製薬傘下の一方四季本草軽養茶などは、いずれも消費者の間で人気が高い。
ヘルスケア茶飲料という新たなトレンドには、飲料品業界も注目している。元気森林が2021年に打ち出した糖質ゼロのハーブティ「繊茶」は、2年連続で売上高成長率が300%に達し、元気森林の新たな億元(1元は約20.8円)級のブランドになった。
ヘルスケア茶飲料のニーズが急増した結果、この分野の競争への参入者が非常に多くなった。調査会社の天眼査のまとめたデータでは、中国のヘルスケア茶飲料メーカーは計1390社余りあり、そのうち4割近くが設立から5年以内の会社だ。
財通証券の研究報告によれば、ここ数年は、国民全体の健康意識の形成と高まりにともない、消費者は病院に行って薬を処方してもらうという受け身の姿勢から、自分の健康は自分で管理するという主体的な姿勢に変わり、医食同源の食品などが人気商品になった。
ヘルスケアも同じように現代の若者が新たに追い求めるジャンルになった。新華網が発表した「Z世代の栄養消費傾向報告」によると、目下のヘルスケア消費の中心は若者層で、18-35歳の若い消費者が健康・ヘルスケア消費者全体の83.7%を占めている。若者は味や品質に対して独自の評価基準を持ち、医食同源の食品に栄養補給食品を組み合わせるのが新世代が選択する新たな消費スタイルだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年11月15日
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