中国初の端末間低軌道衛星通信試験が成功
銀河航天公司が10月31日に明らかにしたところによると、同社はこのほど衛星「霊犀03」により中国初の端末間(Terminal to Terminal,T2T)低軌道衛星通信試験に成功した。科技日報が伝えた。
今回の試験とは衛星の地上端末間が直接衛星交換機を通じて通信を行い、地上局によるデータの中継を必要としないことを指す。このような作業モードでは、地上局中継の段階が省かれ、通信の遅延を50%減らすと同時に、システム全体の柔軟性と可用性を高められる。
銀河航天の朱正賢最高技術責任者(CTO)によると、ユーザーが衛星を利用しインターネットに接続しようとすれば、通常、衛星端末により衛星とつながる必要がある他、地上局を通じこの衛星のデータを地上公共ネットワークに中継する必要がある。今回の試験の意義は、衛星通信により柔軟な通信方法を提供することにある。極地や遠洋などの地上局のカバー範囲にない過疎地でも衛星通信を実現できる。
端末間低軌道衛星通信の実現は容易なことではなく、最も難易度が高い部品の一つはデジタルペイロード。今年7月23日に打ち上げられた衛星「銀河航天霊犀03」には、容量が数十Gbpsのミリ波マルチビームデジタルペイロードが搭載されている。これは衛星にスマートな「ブレーン」を取り付けていると理解できる。衛星はこれにより自身の通信資源を柔軟に調節し、業務の需要に基づき自動的に演算するとともに、ビームの割当を行う。さらにデジタル透明転送技術により、衛星のデータ伝送ルートの自由な組み合わせを実現する。
銀河航天は今後、衛星スイッチングやビームシグナルなどを含む次世代低軌道広帯域衛星通信技術の軌道での検証を行い、通信衛星応用の新たなスタイルを模索し続ける。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年11月2日
関連記事
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn