中国では近年、ネット上で紹介された文化財が瞬く間に大きな話題となるケースが増えているのを背景に、博物館見学が若者の間で人気になっている。そして、「友達と一緒に博物館や展示・展覧会を見に行く」人が増え、そこが交流の場の一つともなっている。5月18日は国際博物館の日。SNSの「博物館の不思議なDay And Night」という話題を見ると、多くのネットユーザーが博物館でのエピソードや感じたことを書き込んでいるほか、穴場となっているたくさんの博物館や文化財の「豆知識」を紹介している。中国新聞網が報じた。
洛陽古墓博物館
文化財がSNSステッカーの素材に
新しい知識の発見のほか、博物館や美術館にはたくさんの楽しみ方がある。例えば、一部のネットユーザーは、「博物館を巡って、SNSのステッカーの収集や作成が趣味」としている。あるネットユーザーが投稿している江西省婺源博物館で撮影した「鐘馗図巻」の写真には、さまざまな形態、表情の道教の神・鐘馗が数十体写っている。ネットユーザーからは、「はんこやテープを作ったり、布のカバンの柄にしたりするのにぴったり」といったコメントが寄せられている。若者は、文化財の「チャームポイント」を見つけるのに長け、それをSNSステッカーの素材にしてコレクションしている。
穴場の博物館
現代的な観点から文化財を楽しむほか、たくさんのネットユーザーは、穴場となっている博物館も紹介している。「あなたが最近行った穴場の博物館」というハッシュタグが付いた話題で、最も言及率が高いのは「洛陽古墓博物館」となっている。河南省洛陽市の北部にある邙山に位置する洛陽古墓博物館は、世界初の古墳をメインにした博物館で、中国で唯一、帝王の陵墓、古墳、その関連文化財、れんが彫刻、古代壁画を一つにした大型の古墳博物館だ。瓦当(軒丸瓦の先端の部分)が好きな博物館ファンは、西安秦磚漢瓦博物館を見つけ出し、あるネットユーザーは、「偶然見つけた。西安おすすめ旅行スポットにはあまり挙げられておらず、西安市の中心部からは離れた場所にあり、規模も小さいけど、瓦当に興味があるなら、きっと楽しめると思う」と綴っている。その他、黒竜江省嫩江市にある中国初の古代の宿場をテーマにした墨爾根古道驛站博物館や、重慶白鶴梁水下博物館、貴州省三都県板告村の水族家庭博物館などもある。
西安秦磚漢瓦博物館
「感動」も与えてくれる博物館
博物館を楽しむほか、多くの人がそこで感動も覚えている。あるネットユーザーは、洛陽博物館の展示物を見学した時、それを見ながら泥人形を作ったり、絵を描いたりしている人を見かけ、「素敵だ」と感じたという。「なぜ博物館が好き?」という話題には、ネットユーザーらが、「時空を超えてやってきた文化財は依然として輝きを放っている」といったコメントを寄せている。このように文化財が時空を超えて、古代の人と現代の人を結び合わせていると言える。あるネットユーザーは、「一つの都市の歴史を理解したいなら、現地の博物館に行くのが一番。地域の特徴を備えた展示品を見ると、その都市の生き生きとした魅力を感じることができる」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年5月17日