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最近、Web3.0が市場で熱い視線を注がれており、株式市場では多くの関連銘柄が大幅に値上がりした。Web3.0の概念に突如「火が付いた」のはなぜか。
実は、Web3.0の概念は今年登場したものではない。すでに2014年にイーサリアムの共同創業者がこの概念を打ち出しており、「これは全く新しいインターネット運営モデルであり、ユーザーは自分で情報を発信し、情報を保存管理でき、個人情報の追跡は不可能であり、個人情報が漏洩することもあり得ない」としていた。
中国工業・情報化部(省)など関連当局が11月1日に「仮想現実(VR)・産業応用融合発展行動計画(2022-2026年)」を通達し、VRの重要パーツ、端末・周辺機器、業務運営プラットフォーム、コンテンツ制作ツール、専用情報インフラの産業化された供給能力を全面的に向上させるとした。
金融データプラットフォームの同花順iFinDのデータによれば、原稿執筆時点でWeb3.0概念株に分類される企業は38社ある。そのうち北京全時天地在線網絡信息はこれまでの10営業日で株価が計100%以上上昇し、14日には取引停止の調査が始まったという。
また、多くの投資家が企業のインタラクティブ・プラットフォームで業務内容にWeb3.0が含まれるかを問い合わせている。それに対し、「関連製品がある」もしくは「関連技術開発をすでに進めている」と答える企業もあるという。
技術について見ると、北京東方国信科技など複数の企業がすでに技術の蓄積がある。
メタバースと市場を奪い合うか?
市場調査会社のグランドビューリサーチがまとめた報告によると、2030年までに世界のWeb3.0ブロックチェーン市場の規模は335億3千万ドル(1ドルは約139.4円、約4兆6740億8200万円)に上り、2022-30年の年間複合成長率は44.9%になると予想される。
同じくブロックチェーンに関わるWeb3.0とメタバースだが、両者はどのような関係になるのか。市場を奪い合うことになるのだろうか。
北京の大成弁護士事務所のパートナーの肖颯氏は、「Web3.0とメタバースは衝突しない。それどころか、Web3.0はそれ自体がメタバース概念の中に包摂されている。メタバースはWeb3.0などの技術を集めてつなぐハイレベルなインターネットの形態であり、またそれ自体がメタバースの現時点における形態でもある」と指摘した。
肖氏は続けて、「そうした意味では、Web3.0を『初級レベルのメタバース』、もしくは『目下の技術的条件下でのメタバースの現実的な形態』と見なすことができる」と述べた。
メタバースと同様、Web3.0も発展の初期段階にある。東方証券は「Web3.0は発展の初期にあり、基層のインフラ建設がとりわけ重要だ」としている。中信証券も「技術とグローバルな監督管理環境が成熟していない状況では、Web3.0は引き続き多くの不確実性とリスクに直面している」との見方を示している。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年11月18日