福建省厦門(アモイ)市の杏林大橋近くで今月14日夜11時頃、穏やかな海面に突然点滅するライトが現れた。その点滅は遭難信号の「SOS」を示す「トトト・ツーツーツー・トトト」のようにも見えた。光明網が報じた。
煌びやかな夜景が周囲に広がっているため、ほとんど目立たない海上で点滅するライト。
ちょうどその時、杏林大橋の海域付近でテロ防止のパトロールをしていた厦門市公安局の特殊警察部隊が点滅するライトを発見。すぐに足を止め、海を見渡した。すると、海上でまたライトが点滅し始めたため、隊員たちは直ちに「海に人がいる!」と行動を起こした。
隊員はまず持っていたライトを使って、海上で光が点滅している場所に向かって、同じパターンで点滅させ返答した。すると、海上でまた光が点滅し、隊員に応答した。
応答があるのを確認した隊員は時を移さずに救出のために行動し、110番通報して支援を求めながら、持っていたライトでモールス符号を送り、暗礁で身動きが取れなくなっていた男性に落ち着くようにと伝えて励まし、その位置もチェックした。
その後、杏林派出所や519救援隊、119消防隊といった緊急救援隊がすぐに駆け付け、協力して男性を無事レスキューボードまで移動させ、岸まで運んで救助した。
今回救助された男性の陳さんは、同日夜に杏林湾で潮干狩りをしていたのだという。潮干狩りを始めた当初は干潮だったので、陳さんは携帯電話を岸において、ヘッドライトだけを付けてアサリ採りに夢中になっていた。そして、アサリ採りに夢中になるあまり、気付かないうちに思ったよりも沖まで出てしまっていたという。気付いた時にはあっという間に潮が満ちてきて、岸に戻ろうと振り返った時にはすでに時遅し。海岸から300メートル以上離れた所で身動きが取れなくなってしまった。
潮がどんどん満ちるのを見た陳さんは近くにあった暗礁に登って避難した。しかし助けを求めたくても、携帯電話を持っておらず、潮がますます満ちてくる様子に思わず絶望感に襲われたという。他になす術もなかったため、ヘッドライトを点滅させて救出を求める信号を送った。そして幸運にも、ともすれば夜景に紛れて見逃してしまいそうなその信号に、ちょうど海岸にいた特殊警察が気付き、救出された。
厳しい暑さの夏になると、海辺に行って遊んだり、潮干狩りをしたりする人も多い。しかし、安全に対する意識を高め、海に入る前には必ず状況を確かめるなど、注意を怠ってはならない。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年8月18日