夏になると、公園を散歩する人が増えるが、公園には往々にして人々を悩ませる「蚊」がたくさん飛んでいる。しかし、四川省成都市を流れる錦江沿いでは間もなく「蚊ゼロ公園」が開園する。公園はリニューアル工事が行われた「活水公園」で、25年前の1990年代には世界初の自然生態系を利用して水を浄化する公園として話題になった。そして、今回のリニューアル工事によって、同公園は成都初の「蚊ゼロ公園」に生まれ変わることになる。
1時間半で1ヶ所も刺されず
職員によると、リニューアル工事で、活水公園内の峨眉山を模した植物群落や希少植物種を守るために、スマート噴霧システムが設置され、峨眉山と同じ環境が作り出されたため、涼しさが倍増しているという。しかし、湿度が高くなると、蚊が繁殖する温床となってしまうのではないだろうか?
本当に「蚊ゼロ」なのかを体験しようと、蚊よけスプレーやグッズを使うことなく、公園内を散歩したり、座っておしゃべりを楽しんだり、さらには植物が茂る場所に入って写真を撮影してみた。しかし1時間半を経過しても、全身どこも蚊に刺されていなかった。
「蚊ゼロ」を実現しているのは50台の「マジックボックス」
「活水公園」を「蚊ゼロ公園」に変えたのは、リニューアル工事であちこちに設置された四角いボックスで、これは世界初の空気蚊捕獲システムだ。
その蚊捕獲機には、世界初の自然の空気だけを使って蚊を捕獲できる技術が採用されている。同機は、人間の呼吸の原理を模倣しており、空気中の二酸化炭素を集め、その濃度を人体の水準に高めることができる。そして、蚊が人が呼吸していると勘違いして寄って来るという仕組みだ。そのため、健康に害を及ぼすものを使わずに、効果的に蚊を駆除することができる。蚊を駆除する過程で、化学物質による環境汚染や光害、騒音などが発生することは全くない。
活水公園では、設置された50台の蚊捕獲機が同時に作動しており、公園全体をカバーし、公園内の蚊の数が激減している。
活水公園内に設置された「蚊駆除機」50台の分布図(資料提供・錦江公園)。
「活水」や「浄化水」は元々、蚊などの虫が繁殖しにくいが、今回のリニューアル工事では、多重濾過システムや水生態浄化システムがさらに強化され、水が自然に流れ、自然に浄化するようになっている。そのため、水の流れが止まる場所がさらに減り、蚊が繁殖しにくい環境が作り出されている。
また、植栽する植物の品種を調整し、活水公園に元々あった植生をそのまま残すことを前提に、植栽ポイントをできるだけ最適化し、川辺の植生に対して微調整を施し、植物が密集する空間を減らして、蚊が繁殖しにくい環境を効果的に作り出している。
このように、ハイテクの蚊捕獲機を設置するだけでなく、自然生態系を構成する水や植物にも工夫を凝らし、活水公園の環境がさらに良くなると同時に、ほぼ「蚊ゼロ」を実現している。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年7月25日