中国国家鉄路集団の情報によると、新疆維吾爾(ウイグル)自治区和田(ホータン)地区と巴音郭楞蒙古(バインゴリン・モンゴル)自治州若羌(チャルクリク)県を結ぶ和若鉄道が16日に開通し、営業開始となった。和田から若羌までの移動時間は11時間26分。新疆の鉄道網がさらに整備され、世界初の砂漠鉄道環状線である総延長2712キロメートルの環タクラマカン砂漠鉄道環状線が形成された。人民網が伝えた。
尼雅河特大橋を通過する検測車。撮影・文興華
和若鉄道の総延長は825キロメートル、設計速度は120km/hで、全線に22駅を設けており、国家Ⅰ級単線鉄道で、電化対応も可能となっている。世界第2の流動性砂漠であるタクラマカン砂漠の南縁に位置する和若鉄道は、総延長の65%を占める534キロメートルの区間が砂嵐エリアにある典型的な砂漠鉄道だ。
和若鉄道は2018年12月着工。国家鉄路集団は沿線の施工及びコンクリート養護の深刻な水不足の実情に対して、434基の橋脚台にプレハブ工法を採用。事前に工場内で加工を終え、現場で組み立てることで、水不足による建設の進捗への影響を効果的に克服した。一部地域は砂嵐が強く、砂丘が移動し線路を埋没させやすいという問題に対しては、線路の代わりに橋を採用。総延長49.7キロメートルの砂丘通過橋を5基建設し、橋の下から砂嵐を通過させることで、砂嵐の線路に対する侵食の脅威を大幅に軽減した。「砂漠に鉄道を敷く前に砂漠化対策」という建設理念に基づき、砂嵐防護プロジェクトの建設を同時進行させた。草方格(乾燥したワラを1m四方の格子状に並べて砂に埋め込むこと)を5000万平方メートル作り、梭梭、ギョリュウ、サジーなどの灌木と喬木を1300万株植え、砂漠化を防止し鉄道を保護する「緑の壁」を築いた。
若克雅特大橋を通過する検測車。撮影・文智泉
和若鉄道の開通後、鉄道当局は2本の旅客列車を運行する。沿線の住民は旅客列車に乗り、若羌、庫爾勒(コルラ)、烏魯木斉(ウルムチ)などに直接移動できる。同時に便利な物流ルートとして、8本の貨物列車を運行し、沿線の綿花、クルミ、ナツメ、鉱産物などを鉄道によって直接内陸部に運べる。この鉄道の開通により、洛浦(ロプ)、策勒(チラ)、于田(ケリヤ)など複数の県に鉄道がない歴史に終止符が打たれた。
和若鉄道は格爾木(ゴルムド)〜庫爾勒鉄道若羌〜庫爾勒区間、南疆鉄道庫爾勒〜喀什(カシュガル)区間、喀什〜和田区間と共に、総延長2712キロメートルの環タクラマカン砂漠環状線を形成している。これは世界初の砂漠鉄道環状線でもある。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年6月16日