中国の人気動画共有サービス・bilibili(ビリビリ)は11月29日、人民文学出版社、中国社会科学院新聞・伝播研究所と共同で、「今年の弾幕」に「破防了(ガードオファ)」が選ばれたことを発表した。中国青年報が報じた。
画面上にコメントが表示されリアルタイムで交流できる機能・弾幕は、視聴者の特定のコンテンツに対する反応を目に見える形で反映している。そして、それに伴い生まれた弾幕文化は、若者や時代の変遷を記録している。ビリビリのユーザーやコンテンツが増加しているのを背景に、その弾幕総数はこのほど、累計で100億回を超えた。
ビリビリの「今年の弾幕」に選ばれた「ガードオファ」は元々ゲーム用語で、特殊な物理的攻撃で、ガードを突破されたという意味だ。ネット上で「ガードオファ」が使われる場合には、さらに広い意味が加わり、心理的防御線を突破され、心が揺れ動いた時に使われることが多い。
「ガードオファ」を使って、若者は自分の気持ちを表現したり、社会で起きた事に共感を覚えたことを表現したりしている。映画やドラマ、アニメなどのあるセリフに涙腺を刺激されたり、おなかがペコペコの時に美味しそうな料理の動画を見たり、オリンピック選手が必死に頑張る姿に励まされたり、時代を象徴する人や物に別れを告げなければならない時など、心が揺り動かされた時にはいつでも「ガードオファ」という弾幕を流して、自分の気持ちを表すことができる。
「ガードオファ」という言葉から、非常に感情移入しやすい若者の姿を見ることができる。中国社会科学院新聞・伝播研究所の孫萍副所長は、「中国語の『破』と『防』はどちらも動詞で、攻撃とガードという正反対の意味。激しく揺れ動く若者の感情や文化に対する共感が生き生きと反映されている」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年12月1日