感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」対策を取らなければ、中国の新型コロナウイルス感染者数は何人に達していただろうか。
感染率と死亡率を世界と同じと想定すると、中国の感染者数は4780万人、死者数は95万人になる。
BRICSと同じと想定すると、中国の感染者数は5497万人、死者数は114万人になる。
経済先進国で医療も整った米英両国と同じと想定すると、中国の感染者数は2億400万-2億600万人、死者数は305万-315万人になる。
だが現在、中国の累計感染者数と死者数は上記の全ての数字の端数に過ぎない。
これらの数字は、中国疾病予防管理センターの感染症学首席専門家である呉尊友氏が算出した「ゼロコロナ」対策の成果だ。
呉氏は「徹底的封じ込めは感染症に対する最も有効な戦略であり、感染防止・抑制の原則と一致し、感染を早期の萌芽状態のうちに抑え込み、拡散を防止するものだ」と指摘。
「このような徹底的封じ込めは最小の社会コストで最大の効果を挙げ、感染症の被害を受ける人々の数を最少にし、最大多数の人々を感染症の影響から免れさせ、社会への影響を最小にし、全国の大部分の地域を感染症の影響から免れさせ、社会・経済の正常な運営と正常な生活秩序を最大限保証する」とする。
また呉氏は、「国は感染防止・抑制政策の策定時には非常に注意深く慎重である必要がある。特に細部や段階の一つ一つを考慮し、壊滅的過ちを犯さないよう、回り道をしないよう努める必要がある。感染防止・抑制においてミスは許されないからだ」としたうえで、「多くの専門家が研究・分析を進めており、誰もができるだけ早くまたパンデミック前のように自由に出入国できるようになることを待ち望んでいる。だが現在の感染防止・抑制戦略から見て、我々はまだゼロコロナ、入国制限戦略を堅持しなければならない」と強調。
さらに、世界各国の感染状況に基づき、次の点を指摘した。
(1)今冬、来春も世界の感染状況は依然として厳しいものとなる。世界規模でワクチン接種が行われ、欧州諸国では接種率も高いが、感染状況は依然厳しい。
(2)中国は依然として、外国からの感染流入、国内の感染再拡大を防ぐ大きな圧力に直面している。
(3)欧米諸国の最近の感染状況を見ると、ワクチン接種によって集団免疫は形成されていない。我々が期待する、新型コロナの流行を阻止できる集団免疫は形成されていない。ワクチン接種率が十分に高くなく、保護効果が十分に良くない中では、依然として新型コロナの流行が発生している。
(4)今冬、来春に流行するのは主にデルタ株だ。南アフリカの変異株であるオミクロン株が中心的変異株となるかどうかは、さらにしっかりと観察することが必要だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年11月29日