2年前、父親におんぶされて一緒にデリバリーの配達をしていた赤ちゃんは今、明るくて、物分かりの良い女の子に成長した。中央テレビニュースが報じた。
女の子の名前は李霏児ちゃんと言い、今年3歳。父親の李園園さんは江蘇省常州市でデリバリー配達員をしている。
2019年の春節(旧正月)、まだ生後わずか5ヶ月だった霏児ちゃんは肺炎になり、40.5度の高熱を出して入院。この入院で李さん夫婦の貯金は底をついてしまった。そこで李さんの妻は働きに出るため、生鮮市場で肉を売る仕事を見つけてきたが、彼女が働きに出ると、日中、霏児ちゃんの世話をする人がいなくなってしまう。そこで李さんは霏児ちゃんを連れて一緒に仕事に出かけることになったという。
それからというもの、霏児ちゃんは毎朝、父親の李さんと一緒にデリバリー配達に出かけ、午後は生鮮市場で働く母親が面倒をみるという日々が始まった。李さんは取材に対して、「デリバリー配達は午前は暇で、午後は忙しい。そこで午後は妻が面倒をみる。こうして2人で半日ずつ子どもの面倒をみる生活を2年以上続けてきた」と話した。
どんなに高い階までデリバリーを配達しなければならない場合でも、李さんは霏児ちゃんを抱っこしたり、おんぶしたりして連れて行ったといい、「娘が必ず自分の目の届く場所にいるようにし、できる限り娘の安全を守っている」と話す。こうして、霏児ちゃんは父親と一緒にデリバリー配達をしながら大きくなった。
以前なら、李さんは片手で霏児ちゃんを抱っこしながら、もう片方の手でデリバリーの商品を持たなければならなかったものの、今では霏児ちゃんが先に走ってエレベーターのボタンを押してくれるようにまでなっている。
そして霏児ちゃんは現在、自分で服の着替えができるだけでなく、両親の家事の手伝いまでできるようになっているという。
またそれだけでなく、肉を売る母親の「助っと」として、母親が忙しくて手が回らない時などは、肉の重さを測るといった仕事をこなしてみせる。
2年前、李さんが赤ちゃんを連れてデリバリーを配達する様子を捉えた動画がネットで大きな話題となり、多くのネットユーザーが寄付を申し出たというが、李さんは、「皆さんの好意には感謝しているが、貧しくても志は保つべきだと思うし、自分自身の手でより良い暮らしを目指したいと思っている」とその申し出の全てを断ったのだという。
李さん一家が住む借家。
今年、李さんはデリバリー配達のほか、ライブコマースをすることで、所得を増やしている。来年9月には、霏児ちゃんも幼稚園に通うことになる。李さんは、「娘もだんだん大きくなっていくから、自分の部屋も必要になる。そのためにも、もうちょっと大きな家に引っ越せるようになりたい。僕は大勢いるデリバリー配達員の一人に過ぎないが、娘は僕の全て。娘の笑顔が何よりも大切」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年11月19日