1-3月期の離婚件数が大幅減 トップ3は四川、河南、広東

人民網日本語版 2021年05月19日11:24

公式統計によると、長年にわたって増え続けていた離婚件数が2020年は減少に転じた。昨年第4四半期(10‐12月)の統計と比較すると、2021年の第1四半期(1-3月)の離婚件数は7割以上の大幅減となった。第一財経が報じた。

結婚する方法は民政当局に届け出を出すのみである一方、離婚には、民政当局に届け出を出す方法と、離婚調停を申し立てて裁判所の判決を得る方法の2つがある。上記の統計データは離婚件数の主体となる民政当局に届け出が出された離婚の統計となる。

1-3月期の離婚件数は29万6000件

民政当局が発表した最新統計によると、今年1-3月期、中国全土の離婚件数は29万6000件だった。

昨年第4四半期の離婚件数を見ると、106万3000件だった。それと比べると、今年1-3月期の離婚件数は72.15%減となった。新型コロナの影響があった2020年1-3月期ではなく、2019年の1-3月期(104万8000件)と比べても71.76%減と、大幅減となっている。

人口関連の専門家である広東省人口発展研究院の董玉整院長は、「離婚件数が減少した主な原因は、離婚冷静期制度が実施されているから」と分析し、「同制度が実施されたことで、夫婦だけでなく、その家族や親戚、友人などの関係する人々が冷静になることができ、離婚しないことにしたり、またはもっと理性的に、意思を固めて離婚するという結果につながっている。そして、衝動的な離婚が理性的な離婚となり、離婚を中断するケースも生じている」と説明する。

江蘇省では今年1月1日から離婚の手順に「冷静期」が加わり、4月15日までの間に、すでに離婚届を提出した夫婦合わせて1万303組が届け出を取り消した。湖北省武漢市では、今年1月に、夫婦3096組が離婚届を提出し、3月5日までの実際の離婚件数は1ヶ月当たり1309件で、約58%が届け出を取り消している。江西省南昌市では今年4月12日までに、夫婦4796組が離婚届を出したのに対して、実際の離婚件数は1621件で、718組が届け出を取り消した。うち42組は自ら取り消し、676組は期限切れで取り消しとなった。

離婚冷静期導入以外の原因について、董院長は、「離婚している人の年齢を見ると、その多くがここ数年の間に結婚した夫婦。しかし、ここ数年、婚姻件数は減少している。近年、結婚する夫婦の多くは1990年代生まれ。ちょうど一人っ子政策が実施され、出生人口が減少の一途をたどっていた時期と重なる。その時期に生まれた人が結婚する頃になると、婚姻件数も自然と減る」と説明する。

2020年、中国の婚姻件数は813万1000件だった。2019年に1000万件の大台を下回ったのに続いて、900万件を下回った。2003年以来最も少ない件数で、ピークに達した2013年と比べると40%減少した。今年1-3月期、中国全土の婚姻件数は213万2000件で、2019年の1-3月期(281万5000件)と比べて24.3%減となった。

離婚件数最多は四川省

地域別で見ると、12省の離婚件数が1万件を超えている。うち、最多は四川省の2万3995件で、2位は河南省の2万2049件、3位は常住人口が最も多い広東省の1万9166件だった。以下、江蘇省、山東省、安徽省、湖北省、湖南省、貴州省、重慶市と続いた。

四川省と河南省の1-3月期の離婚件数が多かったのはなぜなのだろうか?董院長は、「この2省は、出稼ぎに出ている人が多い。長い間一緒に生活していないため、気持ちが冷めてしまい、離婚するという話になったものの、休みを取ることは難しく、春節(旧正月、今年は2月12日)で帰省する時に離婚届を提出することにしていた夫婦が多いのだろう。これは、1-3月期の離婚件数が全体的に多かった原因でもある」と分析する。

また、広東省は、常住人口が1億2600万人と、全国で最多であるものの、結婚や離婚は主にその都市の戸籍を持つ人口と関係がある。広東省の戸籍を持つ人口は9808万6600人で、河南省や四川省の戸籍を持つ人口は、逆に常住人口を大幅に上回っている。

例えば、河南省の常住人口は9936万6000人で、河南省の戸籍を持つものの、他の省で生活、仕事をしている人の数は1610万人と、2010年比で595万人増加した。他の省から河南省に移動してきた人の数は127万人にとどまり、1483万人流出した計算になる。四川省にも同じような状況が見られ、常住人口は8367万人であるのに対して、同省の戸籍を持つ人口は9000万人以上となり、人口流出規模が大きい。

四川省と河南省に続いて3位となった域内総生産が中国トップの広東省は、1-3月期の離婚件数が1万9166件と、4位の江蘇省とはわずか1件差だった。全体的に見ると、華南エリアの広東省や福建省は経済が発展しているものの、離婚率はそれほど高くない。それは、同エリアが伝統的な宗族(共通の祖先からの父系出自を共有する関係)文化などの要素の影響を受けており、婚姻に対する保守的な観念をもっていることと関係があるとみられている。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年5月19日

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