新たなチャンスをもたらす中国・EUの地理的表示保護協定

人民網日本語版 2021年03月22日11:25

3月1日、中国・欧州連合(EU)地理的表示(GI)保護協定が正式に発効した。これにより、中国地理的表示の製品のEUへの進出に際して知的財産権が保護され、関連製品の海外進出に条約レベルの保障が与えられるとして、業界では歓迎されている。「経済日報」が伝えた。

地理的表示とは、製品がどの地域から来たものかを識別するための表示であり、その製品の品質と評判はその特定地域の自然環境と人的・文化的要因によって決まる。たとえば中国の「プーアール茶」、EUの「シャンパン」がある。中国とEUは地理的表示資源が非常に豊富だ。地理的表示の保護・協力を強化し、地理的表示製品の貿易を促進するために、双方は2011年に中国・EU地理的表示保護協定の交渉をスタートし、昨年9月に正式に協定に調印した。

協定が発効すると、中EU双方の企業、個人、関連産業には実質的なメリットがもたらされた。

まず、中国の地理的表示第一弾100種類が、EU市場で法律による保護を受けることになった。この100種類の中には、■(矛へんに夂の下に女)源緑茶、吐魯蕃(トルファン)干しぶどう、プーアールコーヒーなど、すでにEUに輸出されている製品もあれば、煙台リンゴ、安岳レモン、紹興酒など、これからEUに輸出されるポテンシャルを秘めた製品もある。また協定には中国の地理的表示第2弾175種類も組み入れられ、今後4年以内に保護を受けることになる。

同時に、中国の地理的消費関連製品はEUの正式表示を使用する権利をもつことになった。これは、EUが国際条約を通じて外国の地理的表示所有者がEUの正式表示を使用することを認めた初めてのケースでもある。EUの地理的表示の正式表示を掲げることは、その製品の評判がEUに認められているということを意味し、中国の関連製品が海外の消費者に認められ、知名度を上げ、産業の発展を促進し、国際市場を開拓する上でプラスになる。

中国は協定の中でEUの地理的表示に対して法的保護を与えることも約束した。この約束はEUの地理的表示保有者の懸念を打ち消す上でプラスになり、関連製品を安心して中国に輸出できるようにするとともに、中国の消費者がEUの優れた製品をより多く享受できるようにもなる。

中EU地理的表示保護協定の対象になった製品について言えば、協定は関連企業に好材料をもたらすとともに、関連産業の発展促進によりプラスに働くことを指摘しておかなければならない。

コスト抑制という角度から見ると、この協定を通じて、中国とEUはお互いに相手の地理的表示を認めることになり、関連の地理的表示製品がEUで保護されるようになる。地理的表示の保有者が自分でEUに行って申請しなくてよくなり、企業にとっては海外への高額の交通費と弁護士などの費用、人件費の節約になる。

同時に、企業は条約レベルの保障を受けることになる。協定の対象となる地理的表示は、法律による保護を受けるだけでなく、問題にぶつかれば協定が構築した二国間メカニズムを通じて解決することが可能であり、関連の地理的表示の保有者の合法的権利が二重に保障されることになる。またこの協定の発効後、中EU双方は協定をよりよく履行するために連合委員会を立ち上げる。中国の商務部(省)、国家知的財産権局、農業農村部などの当局はEUと積極的にコミュニケーションをはかり、EUにおける地理的表示の保護に関する手引きの作成を推進するという。

以上のことを総括すると、関連各方面はこの協定がもたらすメリットをしっかりとつかみ、それぞれの特色ある地理的表示製品を積極的に発展させ、関連産業の発展を促進し、海外市場を絶えず拡大して、中国とEUの経済貿易協力の発展に新たな原動力を提供する必要がある。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年3月22日

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